意外と知らない「五八」の由来

意外と知らない「五八」の由来

リフォームを知りたい

先生、「五八」って言葉を聞いたことがあるのですが、どういう意味なんでしょうか?リフォームの打ち合わせで出てきたんです。

リフォーム研究家

「五八」は、和室の天井の高さのことで、昔からの尺貫法で五尺八寸のことを指しています。メートル法に換算すると約1.76メートルですね。和室の天井高の基準としてよく使われていました。

リフォームを知りたい

なるほど!じゃあ、今でも家の設計で「五八」が使われているんですか?

リフォーム研究家

最近は天井の高い家が増えてきたので、必ずしも「五八」が基準とは限りません。でも、和室を造る際などには、今でもこの言葉が使われることがありますよ。畳の寸法と関係が深いので、畳の部屋を考えるときには、知っておくと便利ですよ。

五八とは。

「家の改修」と「家を作る」ことに関する言葉「五八」について説明します。「五八」とは、建築の基準の一つで、日本の伝統的な部屋の天井までの高さのことです。昔は、この高さが五尺八寸と決まっていたので「五八」と呼ばれるようになりました。最近は、天井の高さを高くする傾向があり、基準よりも高いものも見られます。窓枠なども五尺八寸だけでなく、六尺や六尺一寸といったサイズも出てきているようです。

五八の謎

五八の謎

「五八」という言葉を聞かれたことはありますか?建築に携わる者にとっては馴染み深い言葉ですが、一般の方にはあまり知られていないかもしれません。この「五八」は、日本の伝統的な建築の寸法に深く関わっています。

五八とは、尺貫法を用いた五尺八寸のことで、およそ百七十六センチメートルに相当します。古来より、和室の天井の高さの基準として、この五八という寸法が広く使われてきました。畳の寸法や柱の間隔など、日本の伝統的な建築様式は、この五八を基準に設計されてきたと言っても過言ではありません。

現代の住宅では、天井を高くすることが多くなり、二百四十センチメートルほどの高さが一般的になりつつあります。しかし、かつて五八が標準的な天井の高さであった名残から、建築現場では今でもこの言葉がよく使われています。例えば、大工さんが柱の高さを指示する際に「五八で」と言えば、百七十六センチメートルの柱を用意するようにという意味になります。

では、なぜ五八という寸法が選ばれたのでしょうか?諸説ありますが、人間の身長との関係が有力な説です。昔の日本人は現代人よりも小柄でした。そのため、五尺八寸という高さは、当時の平均的な身長から見て、圧迫感を感じさせない、ちょうど良い高さだったと考えられています。また、五八という寸法は、日本の気候風土にも適していました。夏は涼しく、冬は暖かく過ごすために、天井の高さを低くすることで、部屋全体の温度を一定に保ちやすくしていたのです。

このように、五八という寸法には、先人の知恵と工夫が凝縮されています。現代建築では、様々な材料や技術革新により、天井の高さを自由に設定できるようになりました。しかし、五八という基準は、日本の伝統建築の根底に流れる思想を理解する上で、重要な意味を持っていると言えるでしょう。

用語 意味/説明 関連情報
五八 尺貫法で五尺八寸、約176cm。伝統的な和室の天井高さの基準。 畳の寸法、柱の間隔なども五八基準で設計。現代では約240cmが一般的。
五八の由来 諸説あるが、人間の身長との関係が有力。当時の平均身長から見て圧迫感のない高さ。 日本の気候風土にも適応。天井を低くすることで、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせる。
現代建築と五八 技術革新により天井高は自由に設定可能。しかし五八は伝統建築の思想を理解する上で重要。

和室とのかかわり

和室とのかかわり

和室といえば、畳の香りと柔らかな光が差し込む落ち着いた空間を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。その和室の雰囲気を決定づける要素の一つに、天井の高さ、つまり内法高さがあります。この内法高さを表す言葉としてよく使われるのが「五八」です。「五八」とは、五尺八寸の略で、尺貫法で約176センチメートルに相当します。かつて日本の住まいは和室が中心であり、そのほとんどで天井高が五尺八寸で統一されていたため、「五八」といえば和室の天井高を指すことが一般的でした。

では、なぜ五尺八寸という高さが標準になったのでしょうか。いくつかの説がありますが、まず考えられるのは、尺貫法に基づいた寸法体系です。日本では古くから、尺貫法を用いて建物の寸法を決定しており、五尺八寸もその体系に則った寸法の一つであったと考えられます。また、当時の日本人の平均的な身長や生活様式に適していたという説もあります。座ったり、正座をしたりする生活様式において、五尺八寸という高さは圧迫感を与えず、快適な空間を演出していたのでしょう。

さらに、日本の高温多湿な気候風土も関係しているとされています。夏は特に蒸し暑くなる日本の気候において、天井を高くすることで風通しを良くし、涼しい空間を作り出す工夫がされていました。五尺八寸という高さは、快適な居住空間を実現するための知恵でもあったのです。このように、五尺八寸という高さは、日本の伝統的な寸法体系、生活様式、そして気候風土といった様々な要素が絡み合い、長い時間をかけて定着していったものなのです。現代の住宅においても、和室の持つ独特の雰囲気を再現するために、この「五八」という寸法が参考にされることがあります。畳の寸法との調和も美しく、落ち着いた空間を生み出すため、現代の建築においても重要な要素となっています。

項目 内容
五八の意味 五尺八寸の略。尺貫法で約176cm。和室の天井高を指す。
五八が標準になった理由
  • 尺貫法に基づいた寸法体系
  • 当時の日本人の平均的な身長や生活様式に適していた
  • 日本の高温多湿な気候風土に適していた(風通しを良くし、涼しい空間を作る)
現代建築への影響 和室の雰囲気を再現するために参考にされる。畳の寸法との調和も美しい。

現代建築への影響

現代建築への影響

近ごろの家では、畳の部屋が少なくなり、椅子とテーブルの生活様式が中心となっています。それに伴い、天井の位置も高くなる傾向があり、二メートル四〇センチメートルを超える天井の高さを持つ家も珍しくありません。天井が高いと、部屋が広く感じられ、開放的な空間を演出できるという利点があります。しかし、建築の現場では、今でも「五八」という言葉がよく使われています。これは、かつての建築基準法で定められていた、柱の間隔や畳の寸法に基づくもので、尺貫法を用いた建築の寸法体系を指します。「五八」は、五尺八寸、つまり約百七十五・五センチメートルを基準としたもので、日本の伝統的な建築様式を理解する上で重要な言葉です。

かつて、日本の家は畳の寸法を基準に設計されていました。畳の短い方の辺を基準とした「京間」や、長い方の辺を基準とした「江戸間」など、地域によって様々な寸法の畳が存在していましたが、柱の間隔や天井の高さなどは、これらの畳の寸法と深く関わっていました。「五八」も同様に、畳の寸法と関連付けられ、柱の間隔や開口部の大きさを決める際に用いられてきました。

現代の建築では、メートル法が用いられることが一般的ですが、建築業界では、今でも「五八」という言葉が慣用的に使われています。これは、過去の建築基準を理解する上で重要なだけでなく、現代の建築においても、畳の部屋を作る際には、伝統的な「五八」の寸法を参考に設計されることがあるためです。例えば、天井高を二メートル四〇センチメートルとする場合でも、「五八」を意識して、柱の間隔や開口部の大きさを調整することで、伝統的な和の雰囲気を醸し出すことができます。このように、「五八」は現代建築にも間接的に影響を与え続けていると言えるでしょう。

項目 内容
現代の住宅 畳の部屋が減り、椅子とテーブルの生活様式が中心。天井が高くなる傾向(2m40cm以上も珍しくない)。
天井が高い利点 部屋が広く感じられ、開放的な空間を演出できる。
「五八」 約175.5cm。尺貫法を用いた建築の寸法体系。かつての建築基準法で定められていた柱の間隔や畳の寸法に基づく。
畳と建築 かつての家は畳の寸法(京間、江戸間など)を基準に設計。「五八」も畳の寸法と関連し、柱の間隔や開口部の大きさを決める際に用いられた。
現代建築と「五八」 メートル法が一般的だが、「五八」は慣用的に使用されている。過去の建築基準の理解に重要。畳の部屋を作る際に「五八」を参考に設計されることも。天井高2m40cmでも「五八」を意識することで和の雰囲気を醸し出せる。

サッシとの関係

サッシとの関係

五尺八寸という寸法は、日本の住宅、特に和室において、天井の高さの基準として古くから用いられてきました。この寸法は、約176センチメートルに相当し、日本人の平均的な身長に合わせた、圧迫感の少ない、それでいて適度な広さを感じられる高さとして好まれてきました。そして、この五尺八寸という寸法は、天井の高さだけでなく、窓や扉などの建具、つまりサッシの規格にも大きな影響を与えています。

サッシとは、窓枠や戸枠といった、建具全体を指す言葉です。窓や扉を取り付けるための枠組みであり、住宅の外観や機能性を左右する重要な要素です。和室に用いるサッシには、伝統的に五尺八寸を基準とした規格が数多く用意されてきました。これは、五尺八寸という寸法が、和室の天井高の標準として広く認識されていたためです。天井高とサッシの寸法を合わせることで、建具の取り付けが容易になり、見た目にも美しい均整のとれた和室を作り出すことが可能になります。そのため、五尺八寸という寸法は建築業界で広く使われ続け、現在でも「五八」という言葉で通じるほど、馴染み深いものとなっています。

近年では、住宅の設計思想の多様化や、居住者個々のニーズの変化に伴い、天井高のバリエーションも増えています。天井を高くすることで、より開放的で広々とした空間を演出することが可能になります。そのため、従来の五尺八寸よりも高い、六尺(約182センチメートル)や六尺一寸(約185センチメートル)といった天井高も一般的になりつつあります。それに伴い、サッシの規格も多様化し、様々な寸法のものが製造されるようになりました。

しかし、五尺八寸という基準は、現在でも根強い人気を誇っています。特に和室においては、五尺八寸の天井高とそれに合わせたサッシが、落ち着いた雰囲気と伝統的な美しさを醸し出す上で重要な役割を果たしています。そのため、和室用のサッシとしては、五尺八寸の規格が今でも一定の需要があり、多くの建具メーカーから販売され続けています。五尺八寸という寸法は、日本の住宅建築における、まさに歴史と伝統を象徴する寸法と言えるでしょう。

寸法 高さ (cm) 説明 サッシへの影響
五尺八寸 約176 日本の住宅、特に和室の天井高さの伝統的な基準。圧迫感のない適度な広さ。 五尺八寸を基準としたサッシ規格が多数存在。天井高とサッシ寸法を合わせることで、取り付け容易で美しい和室に。
六尺 約182 近年人気の天井高。開放的で広々とした空間を演出。 サッシ規格の多様化に貢献。
六尺一寸 約185 近年人気の天井高。開放的で広々とした空間を演出。 サッシ規格の多様化に貢献。

まとめ

まとめ

五八(ごはち)とは、日本の伝統的な建築で基準とされてきた五尺八寸(約176cm)のことです。これは、畳の短い方の辺の長さ(約91cm)のほぼ二倍に相当し、古くから和室の天井高や建具の寸法を決める際に用いられてきました。

現代の住宅では、天井を高くして開放感を演出する傾向にありますが、五八という基準は、日本の建築業界において今もなお重要な役割を担っています。例えば、マンションやアパートなど集合住宅でよく見かけるサッシの高さや、和室の天井高に五八の影響が残っていることがあります。また、古い建物を改修する際にも、五八を基準とした設計が参考にされることがあります。

五八は、日本の建築の歴史や文化を理解する上で欠かせない知識です。かつては大工さんが五八を基準に家の設計を行い、木材を無駄なく使い建物を建てていました。五八という数字には、日本の風土や気候に適した知恵が込められていると言えるでしょう。

建築に関わる仕事をする人にとって、五八は必ず知っておかなければならない知識です。設計や施工の現場では、五八を基準にした寸法が頻繁に用いられます。また、建築の歴史や伝統的な技法を学ぶ上でも、五八は重要なキーワードとなります。

一般の人にとっても、五八を知っておくことは無駄ではありません。例えば、自宅をリフォームする際、五八を基準とした寸法を理解していれば、よりスムーズに業者と打ち合わせを進めることができるでしょう。また、日本の伝統的な建築物を見学する際に、五八という基準を意識することで、建物の構造や意匠に対する理解が深まり、新たな発見があるかもしれません。

五八という言葉の由来や意味を知ることで、私たちの身近にある建物や、日本の建築文化に対する見方が変わってくるでしょう。

五八(ごはち)とは 日本の伝統的な建築で基準とされてきた五尺八寸(約176cm)
現代住宅との関係 天井高や建具の寸法の基準として使用。マンションやアパートのサッシの高さ、和室の天井高等。
五八の重要性 日本の建築の歴史や文化を理解する上で欠かせない知識。木材を無駄なく使い、日本の風土や気候に適した知恵が込められている。
建築関係者にとって 設計や施工の現場で頻繁に用いられる必須知識。建築の歴史や伝統的な技法を学ぶ上でも重要。
一般の人にとって リフォーム時の業者との打ち合わせ、伝統建築物見学時の理解を深めるのに役立つ。
五八を知る意味 建物や日本の建築文化に対する見方が変わる。