快適な住まいづくりの秘訣:軒下換気
家屋の屋根は、夏には強い日差しを受け、冬には冷たい外気にさらされます。その影響を直接受けるのが、天井と屋根の間にある小屋裏と呼ばれる空間です。小屋裏の温度変化を和らげる重要な役割を担うのが軒下換気です。軒下換気は、屋根の軒先に設けられた換気口を利用して、小屋裏の空気を循環させる仕組みです。
夏の暑い時期、屋根は直射日光によって高温になり、その熱は小屋裏に伝わります。すると、小屋裏の空気は温められて軽くなり上昇します。この上昇気流によって、温まった空気は軒下換気口から屋外へ排出されます。同時に、外気は軒下換気口から小屋裏に入り込み、小屋裏全体の温度上昇を抑えます。
冬は、外気の冷たさが屋根を通して小屋裏に伝わりますが、軒下換気によって、小屋裏にこもった湿気を排出し、結露の発生を抑制します。結露は木材の腐朽やカビの発生原因となるため、小屋裏の換気は家の寿命を長く保つ上で非常に大切です。
軒下換気口には、通常、防火ダンパーが設置されています。これは、火災が発生した際に、熱に反応して自動的に閉じる仕組みになっており、隣家への延焼を防ぐ役割を果たします。
軒下換気は、寄棟屋根のように四方に傾斜のある屋根形状の家で特に効果的です。四方全てに軒があることで、空気の流れがスムーズになり、効率的な換気が行われます。軒のない陸屋根の場合、換気方法が異なり、屋根面に換気口を設けるなどの工夫が必要となります。