
ガラリ付き襖で快適な収納を実現
襖(ふすま)は日本の住宅において、部屋を仕切ったり、収納空間を隠したりするために使われる、軽くて薄い建具です。その襖に、ガラリと呼ばれる通気口を取り付けたものが、ガラリ付き襖です。ガラリとは、細長い板を斜めに並べた、格子状の構造物のことです。この構造によって、襖を閉めたままでも空気を循環させることができるのです。ガラリは別名「ルーバー」とも呼ばれ、襖以外にも、ドアや押入れの戸など、様々な場所で見かけることができます。
従来の襖は、閉めると空気がこもりやすく、収納空間は湿気が溜まりがちでした。湿気が多いと、カビやダニが発生しやすくなり、衣類や寝具に悪影響を与える可能性があります。大切な着物や布団にカビが生えてしまったり、嫌な臭いが染み付いてしまったりしては大変です。また、湿気は建材の劣化も早めてしまいます。
ガラリ付き襖はこの湿気対策に効果を発揮します。ガラリを通して空気が循環することで、収納空間を乾燥した状態に保ち、カビやダニの発生を抑えることができます。衣類や寝具を湿気から守り、より長く良い状態で保管することが可能になります。また、建材の劣化も防ぎ、家の寿命を延ばすことにも繋がります。
ガラリ付き襖は機能性だけでなく、見た目にも優れています。木製の格子は、和風の空間に自然と溶け込み、洗練された印象を与えます。襖紙のデザインとガラリの組み合わせ次第で、様々な雰囲気を演出することも可能です。現代の住宅にも違和感なく馴染み、空間に落ち着きと趣きを与えてくれるでしょう。
このように、ガラリ付き襖は、日本の伝統的な建具である襖の良さを残しつつ、現代の生活に合わせた機能性を加えた、優れた建具と言えるでしょう。