設計基準

記事数:(3)

設計

モジュールで変わる!家の快適さ

家を建てる時、設計図面を見る機会があると思います。その際に「モジュール」という言葉を目にすることがあるでしょう。モジュールとは、建物を設計したり、施工したりする際に用いる基準となる長さのことです。家の骨組みとなる柱と柱の中心線の間の距離を基準とし、この長さを基準に、部屋の広さや窓、扉の位置などが決まります。 家の設計図におけるモジュールは、設計者と施工者が共通の物差しを持つことで、正確で効率的な作業を可能にする、いわば家の設計における共通言語と言えるでしょう。適切なモジュールを採用することで、空間の有効活用や、家具の配置のしやすさ、さらには住まいの快適性にも大きな影響を与えます。 大きく分けて「尺モジュール」と「メートルモジュール」の二つの種類があります。尺モジュールは、日本の伝統的な長さの単位である「尺」を基準としたモジュールです。一尺は約303mmで、半間(約910mm)や一間(約1820mm)といった単位がよく使われます。畳の寸法も尺モジュールに基づいて決められているため、畳を敷く際に調整の手間が少なく、和風の住宅によく合います。しかし、近年では家具や設備の多くがメートル法を基準に作られているため、調整が必要になる場合があります。 一方、メートルモジュールは、メートル法を基準としたモジュールです。基本的には1000mmを単位として設計されます。メートル法を基準に作られた家具や設備との相性が良く、空間を広く感じさせる効果もあります。尺モジュールに比べて部屋の広さや窓、扉の位置などの自由度が高いという利点もあります。しかし、畳の寸法とは合わないため、和室を設ける場合は調整が必要になります。 それぞれの特性を理解することで、理想の住まいづくりに役立てることができます。どちらのモジュールが自分の家に適しているのか、しっかりと検討することが大切です。
設計

モジュールで快適な住まいを実現

家は、壁と屋根を組み合わせただけの空間ではありません。住む人の暮らしやすさ、快適さを実現するために、綿密な設計図に基づいて建てられます。その設計図を描く上で重要な役割を担うのが「基準となる寸法」です。これは、建物の設計や工事の基準となる長さのことで、日本では「建築基準寸法」として規格化されています。 この基準寸法は、建物の工業化と合理化を図る目的で、日本工業規格(JIS)によって定められました。基準寸法を設計や工事の基準とすることで、建材の規格化や工事の効率化が実現します。例えば、柱や壁、窓などの大きさを基準寸法に合わせて設計することで、事前に工場で大量生産することが可能になります。これにより、現場での作業が減り、工事にかかる費用を抑えたり、工期を短縮したりすることに繋がります。また、規格化された建材は品質が均一であるため、建物の耐久性向上にも貢献します。 家造りにおいては、設計段階から基準寸法を意識することが重要です。基準寸法を考慮することで、空間を無駄なく活用できます。例えば、部屋の広さや天井の高さを基準寸法の倍数で設計することで、家具や家電製品を配置しやすくなり、無駄なスペースを減らすことができます。また、将来的な間取り変更や増築を検討する場合にも、基準寸法に合わせた設計は変更工事を容易にします。 このように、基準寸法は家造りの設計図を支える重要な要素です。一見目立たない部分ではありますが、家造りの効率性や快適性、そしてコストに大きく影響します。家造りを検討する際には、基準寸法について理解を深めることが大切です。
設計

広々設計!メーターモジュールの家

「メーターモジュール」とは、読んで字のごとく、1メートルを基準とした家の設計方法のことです。日本では昔から、尺貫法に基づく「尺モジュール」(約91センチメートル)が主流でした。しかし最近では、メーターモジュールを取り入れる住宅が増えてきています。 尺モジュールと比べて一辺が約9センチメートル長くなるため、空間を広く使えることが大きな利点です。例えば、廊下や階段、洗面所、浴室、トイレなどは、尺モジュールよりもゆったりとした空間を実現できます。特に、車椅子を使う方や、高齢になって足腰が弱くなった場合でも、移動や生活がしやすくなります。 メーターモジュールは、家の性能を評価する制度において、「高齢者への配慮」という項目で最高の等級を取得しやすいこともメリットの一つです。そのため、将来を見据えた家づくりにも適しています。 また、資材の無駄な部分や余分な加工が減るため、建築費用を抑えられる可能性があります。木材や建材は、多くの場合、メートル法を基準に製造されています。そのため、尺モジュールで設計すると、どうしても端材が出てしまったり、加工の手間が増えてしまったりします。メーターモジュールであれば、そのような無駄を省き、費用を抑えることができます。 さらに、家具の配置もしやすいという利点もあります。海外製の家具はメートル法を基準に作られていることが多いので、メーターモジュールの住宅であれば、寸法を気にせず家具を選ぶことができます。 このように、メーターモジュールには、快適な住まいを実現するための様々な利点があります。従来の尺モジュールに慣れ親しんでいる方も、新しい家の可能性を広げるため、メーターモジュールの魅力に触れてみてはいかがでしょうか。