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建材

桐の家具:選び方と魅力

桐は、古くから日本で大切にされてきた木材です。その理由は、数々の優れた特性にあります。まず挙げられるのは、その軽さです。国産の木材の中でも最も軽く、持ち運びや加工が容易です。ノコギリや鉋などの道具を使えば、誰でも簡単に思い通りの形に整えることができます。このため、繊細な細工を施した家具作りにも向いており、職人の技を存分に発揮することができます。 桐のもう一つの大きな特徴は、湿気を寄せ付けにくい性質です。日本の高温多湿な気候風土において、木材は湿気を吸って膨張したり、逆に乾燥して収縮したりすることで、狂いや割れが生じやすくなります。しかし、桐はそのような変化が少ないため、湿度の変化が激しい場所でも安定した状態を保つことができます。この特性から、湿気に弱い衣類や道具、書物などを保管する箪笥や箱の材料として、古くから重宝されてきました。大切なものを湿気から守る、優れた保管庫の役割を果たしてきたのです。 さらに、桐は見た目の美しさも兼ね備えています。表面を丁寧に研磨することで、滑らかで美しい光沢が現れます。木目も優しく上品であり、和風の空間にも洋風の空間にも自然と溶け込みます。そのため、高級家具の素材としても人気が高く、桐材で作られた家具は、その美しさと機能性で、多くの人々を魅了し続けています。また、断熱性にも優れており、夏は涼しく、冬は暖かいという特徴も持っています。これは、桐材の中に含まれる空気が、外気の影響を和らげる役割を果たしているためです。このように、桐は多くの優れた特性を持つ、まさに日本の宝と言える木材と言えるでしょう。