板野縁

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建材

見えない大切な下地:野縁と板野縁

家屋の天井を見上げると、その広がりや美しさに目を奪われることがよくあります。しかし、その美しい天井を陰で支えているのが、今回ご紹介する「野縁」と「垂木野縁」です。これらは、天井を構成する上で欠かせない骨組みであり、まさに縁の下の力持ちと言えるでしょう。 まず「野縁」とは、天井を支える主要な骨組みです。屋根の構造材から吊り下げられる、あるいは壁と壁の間に渡される形で設置され、天井板を固定するための下地材として機能します。野縁には木材や軽鋼などが用いられ、住宅の構造や天井の仕上げ材に合わせて適切な種類が選ばれます。野縁の間隔も重要で、天井板の重さや種類によって適切な間隔が定められています。間隔が狭すぎると材料費がかさみ、広すぎると天井板がたわむ原因となるため、施工の際には慎重に調整する必要があります。 次に「垂木野縁」は、野縁に取り付けられる細い木材です。野縁だけでは天井板をしっかりと固定できない場合や、より細かく天井板を支える必要がある場合に用いられます。垂木野縁は、野縁と天井板の間の隙間を埋め、天井板を均等に支える役割を果たします。これにより、天井の仕上がりが美しくなり、また天井板の強度も高まります。天井に照明器具などを設置する際にも、垂木野縁が重要な役割を果たします。照明器具の重さを支えるための補強材として利用されることで、安全性を確保できるのです。 このように、野縁と垂木野縁は、一見地味な存在ですが、住宅の快適性と安全性を確保するために欠かせない部材です。天井の美しさだけでなく、その裏側にある構造にも目を向けてみると、家造りの奥深さを改めて感じることができるでしょう。