木材の暴れを抑える家造りの秘訣
木は伐採された後も、まるで生きているかのように呼吸を続け、空気中の湿気を吸ったり吐いたりしています。このため、周囲の湿度の変化によって木材は伸び縮みを繰り返します。木材のこの動きを「木が動く」とか「木が働く」と言ったりもしますが、この伸び縮みが極端に大きくなって、木材が反ったり、曲がったり、ねじれたり、狂ったりする現象を「木の暴れ」と呼びます。
木の暴れは、家にとって様々な問題を引き起こす可能性があります。家の骨組みとなる構造材に暴れが生じると、家の強度が弱まり、地震や台風などの災害時に深刻な被害をもたらす恐れがあります。また、壁や床、天井などの内装材に暴れが生じると、見た目が悪くなるだけでなく、隙間ができ、そこから隙間風が入ってきて冬は寒く、夏は暑いといった不快な居住環境の原因となります。さらに、雨漏りの原因になることもあります。
木の暴れは、扉や窓枠などの建具にも影響を与えます。木材が反ったり、曲がったりすることで、扉や窓の開閉がスムーズにいかなくなることがあります。開かなくなったり、閉まらなくなったり、隙間ができてガタガタと音がしたりするといった不具合が生じる可能性があります。
木の暴れを抑えるためには、木材の種類、乾燥方法、施工方法が重要です。木材の種類によって、湿気を吸ったり吐いたりする度合いが異なります。乾燥が不十分な木材は、より大きく暴れる傾向があります。また、施工時に適切な隙間を設けなかったり、木材を固定する金具の選び方を間違えたりすると、木の暴れによって木材が割れたり、変形したりする原因になります。
家造りやリフォームを計画する際には、木の暴れについてよく理解し、木材の特性に合わせた適切な材料選びと施工を行うことが大切です。木の暴れを理解することは、快適で長持ちする家を実現するための第一歩と言えるでしょう。