かね折れ階段

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設計

かね折れ階段:空間を活かす階段設計

「かね折れ階段」とは、階段の途中に踊り場を設け、そこで九十度方向を変える階段のことです。ちょうど、折り曲げた金尺のように見えることから、この名前で呼ばれています。この踊り場があることで、階段の昇り降りをする際に方向転換が必要となります。 かね折れ階段の最大の利点は、設置面積を小さくできることです。まっすぐな階段に比べて、同じ段数でも必要な床面積が少なくなります。そのため、都会の一戸建て住宅や狭小住宅など、床面積が限られている住宅でよく選ばれています。限られた空間を有効に使い、居住空間を広く確保することができます。 また、かね折れ階段は階段下を収納スペースとして活用できる点も魅力です。階段下はデッドスペースになりがちですが、かね折れ階段にすることで、収納棚や物置として活用できます。収納場所に困る都市部の住宅では、貴重な収納場所を確保できることは大きなメリットです。 さらに、かね折れ階段には安全性も考慮されています。長い直線階段の場合、万が一転落すると一気に下まで落ちてしまう危険性があります。しかし、かね折れ階段には踊り場があるので、途中で転落を止めることができ、怪我の軽減につながります。特に、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、安全面で安心できる階段と言えるでしょう。 階段の種類を選ぶ際には、家の広さや使い勝手、デザインなどを総合的に考えることが重要です。限られた空間でも快適な暮らしを実現するために、かね折れ階段は有効な選択肢の一つです。ただし、踊り場での方向転換が必要なため、家具などの搬入には注意が必要です。事前に搬入経路を確認し、工夫が必要な場合もあります。