屋外階段は面積に入るの？

屋外階段は面積に入るの？

屋外の階段の面積について

家を新しく建てたり、あるいは古くなった家を改修したりする計画を立てる際には、床面積の計算はとても大切です。床面積は家の大きさを決めるだけでなく、工事にかかる費用や毎年支払う固定資産税にも関わってくるからです。そこで今回は、家の外の階段が床面積に含まれるかどうか、その条件について詳しく説明します。家の外の階段は、集合住宅や高い建物、一戸建てなど、色々な建物で見られますが、床面積に含めるかどうかの判断は単純ではありません。ある決まった条件を満たしている家の外の階段は、床面積に含まれない場合があるのです。これは、建築基準法という法律で決められている床面積の定義に基づいています。

建築基準法では、床面積とは屋根や天井で覆われている部分の面積のことを指します。ですから、家の外の階段のように屋根がない部分は、基本的には床面積には含まれません。しかし、一部例外があり、外階段でも屋根や壁などで覆われていて、部屋のように囲まれた空間になっている場合は、床面積に算入されます。例えば、らせん階段のように、全体が壁に囲まれているような場合は床面積に含まれます。また、階段の一部に小さな屋根がある場合でも、その屋根が階段全体を覆っていなければ床面積には含まれません。

さらに、床面積に算入されない屋外階段にも、いくつかの種類があります。例えば、地面から直接上がっている階段や、玄関ポーチから出ている階段などです。これらは屋根がないだけでなく、建物本体から少し離れているため、床面積には含まれません。また、ベランダやバルコニーに繋がる階段も、通常は床面積に含まれません。なぜなら、ベランダやバルコニー自体が床面積に含まれないからです。

このように、屋外階段が床面積に含まれるかどうかは、屋根の有無や建物の構造によって判断されます。家を建てる際やリフォームする際には、設計士や施工業者によく相談し、床面積の計算方法を確認しておくことが大切です。正確な床面積を把握することで、予算計画もスムーズに進み、後々のトラブルを防ぐことにも繋がります。

面積に含まれない条件とは

家の面積を計算する際、いくつかの条件を満たすと、その部分は面積に含まれない場合があります。ここでは、屋外にある階段を例に、面積に含まれない条件を詳しく説明します。

まず第一に、階段の外壁が２面以上外部に面していることが重要です。これは階段の周りの壁の半分以上が外気に触れている状態を指します。もし、壁に囲まれていて一方向しか外気に触れていない場合は、面積に含まれてしまいます。さらに、外気に触れている面の合計の長さが、階段全体の周りの長さの半分以上である必要があります。

次に、階段の手すりや壁の高さは1.1メートル以上必要です。これは、利用者の安全を守るための基準です。手すりや壁の高さが1.1メートル未満の場合は、安全性が確保されていないとみなされ、面積に含まれることになります。

最後に、階段の天井部分の半分以上が空いていることも条件です。天井が半分以上覆われている場合は、屋内階段と同様の扱いになり、面積に算入されます。逆に、半分以上空いている場合は、開放的な空間と見なされ、面積には含まれません。

これら三つの条件、つまり外壁が２面以上外部に面していること、手すりや壁の高さが1.1メートル以上であること、そして天井の半分以上が空いていること、これら全てを満たした場合のみ、屋外階段は家の面積に含まれません。もし、どれか一つでも条件を満たしていない場合は、面積に算入されることになります。

これらの条件は建築基準法に基づいて定められています。しかし、地域によって解釈や運用方法が異なる場合があるので、家を建てる際やリフォームする際は、お住まいの地域の役所に確認することをお勧めします。

床面積への影響

家の建築費用や税金は、床面積を基準に計算されます。そのため、屋外にある階段を床面積に含めないことには、大きな利点があります。

まず、建築費用を抑えることができます。家は面積が大きいほど、建築に使う材料や人件費が増え、費用も高くなります。屋外階段を床面積に含めなければ、全体の面積が小さくなり、費用を抑えることが可能です。特に、土地の面積があまり広くない場合、この差は大きく感じられるでしょう。限られた土地の中で、屋内にゆとりある空間を作りたい場合は、屋外階段を床面積に含めない設計を検討する価値があります。

次に、税金が安くなる可能性があります。固定資産税や都市計画税といった税金は、家の床面積に応じて金額が決まります。屋外階段を床面積に含めないことで、課税対象となる面積が小さくなり、これらの税金を抑える効果が期待できます。毎年支払う税金が少しでも軽くなれば、家計にとって大きな助けとなるでしょう。

しかし、屋外階段を床面積に含めないためには、いくつかの条件があります。例えば、屋根や壁で囲われていないこと、昇降のためのみに利用されることなどです。これらの条件を満たしていないと、床面積に算入されてしまうため注意が必要です。そのため、家を設計する段階から、専門家とよく相談し、屋外階段をどのように配置するか、どのような構造にするかを慎重に検討する必要があります。適切な設計をすることで、費用の節約や税金の軽減といったメリットを享受できるだけでなく、快適で機能的な住まいを実現できるでしょう。

設計時の注意点

家の外に階段を作る時の注意点は、ただ単に面積の計算方法を知っているだけでは不十分です。安全で使いやすく、そして景観にも馴染む階段を作るためには、様々なことを考えなければなりません。

まず、安全面についてです。階段を使う人の安全を守るためには、手すりは欠かせません。手すりの高さは、大人も子供も使いやすい高さにする必要があります。また、握りやすい形状を選ぶことも大切です。階段の幅も、人が安全に行き来できる十分な広さを確保する必要があります。階段の傾斜も重要です。傾斜がきつすぎると、昇り降りが大変になり、転倒の危険性も高まります。緩やかすぎると、階段が長くなり、場所を取ってしまいます。利用者の年齢層や、階段の用途に合わせて、適切な傾斜を設計する必要があります。

次に、使い勝手についてです。屋外階段は、雨や雪などの天候の影響を受けやすい場所にあります。雨の日は滑りやすくなり、雪の日は積雪で通行が困難になることもあります。このような問題を避けるためには、屋根を設置する、滑りにくい素材を使用するなどの工夫が必要です。また、階段の照明も重要な要素です。夜間でも安全に利用できるように、足元を照らす照明を設置する必要があります。

最後に、景観との調和についてです。屋外階段は、家の外観の一部となります。周囲の環境や家のデザインに合った階段を設計することで、美しい景観を作り出すことができます。例えば、家の壁の色や素材に合わせた階段にする、庭の植栽と調和するようなデザインにするなど、様々な工夫が考えられます。

これらの点を総合的に考えて、安全で使いやすく、そして美しい屋外階段を作ってください。適切な設計をすることで、家の外観のアクセントとなる、魅力的な屋外階段を実現することができます。

専門家への相談

家の外にある階段を作る際には、建物の設計や工事に関する法律をよく理解している必要があります。階段の位置や形、材料などは、敷地の広さや建物の構造、使う人の年齢や体の状態に合わせて決める必要があるため、自分だけで判断するのは難しいでしょう。そこで、家の設計や工事の専門家である建築士や工務店に相談することを強くおすすめします。

専門家は、敷地の状態や建物の構造などを詳しく調べた上で、安全で使いやすい階段を提案してくれます。例えば、小さなお子さんやお年寄りがいる場合は、手すりの位置や高さ、段差の幅などを工夫し、転倒しにくい設計にしてくれます。また、車椅子を使う人がいる場合は、スロープを設置するなどの提案もしてくれます。

さらに、専門家は、建築確認申請といった複雑な手続きも代行してくれます。建築確認申請とは、工事を始める前に、建物の設計が法律に適合しているかを役所に確認してもらう手続きです。専門家に依頼することで、面倒な書類作成や役所とのやり取りをスムーズに進めることができますので、安心して工事を進めることができます。

特に、家の延べ床面積に屋外階段を含めないようにしたい場合は、専門家との綿密な打ち合わせが欠かせません。床面積の計算方法は複雑で、少しでも設計を間違えると、本来よりも多くの税金を払うことになってしまう可能性があります。専門家は、床面積の計算方法を熟知しており、法律に適合した設計をしてくれます。

安全で快適な屋外空間を作るためには、専門家の知識と経験が不可欠です。家の外に階段を作る際は、必ず専門家に相談し、最適な設計と施工を行いましょう。