暮らしとパラボラアンテナ:設置から維持管理まで
空高く位置する人工衛星から送られてくる映像や音声を楽しむためには、パラボラアンテナの存在が欠かせません。その名の通り、おわんを伏せたような丸みを帯びた独特の形が特徴です。この形には、衛星放送を受信するための重要な役割が隠されています。
人工衛星から地球に届く電波はとても微弱です。遠く離れた宇宙空間から届くため、大気の影響を受け、地上に到達する頃には弱まってしまうのです。そこで、このおわん型のアンテナが活躍します。アンテナの表面は、滑らかな曲面でできています。この曲面が、遠く宇宙から届く微弱な電波を反射し、一点に集める役割を果たすのです。ちょうど、虫眼鏡で太陽光を集めるように、電波を中央の受信装置に集中させることで、私たちは鮮明な映像とクリアな音声を楽しむことができるのです。
この受信装置は、アンテナの中央に設置されています。集められた電波はこの装置で電気信号に変換され、テレビに送られます。そして、電気信号がテレビの中で処理されることで、私たちは番組を見ることができるのです。普段何気なく見ているニュースやドラマ、スポーツ中継なども、このアンテナの働きがあってこそ楽しめるものなのです。
屋根の上などでよく見かけるパラボラアンテナは、宇宙からの信号を私たちの家庭に届ける、大切な役割を担っています。まさに、宇宙と家庭をつなぐ、目には見えない架け橋と言えるでしょう。