木材の基礎知識:辺材とは?
リフォームを知りたい
先生、『辺材』って、家造りやリフォームでよく聞く言葉ですが、どんなものですか?
リフォーム研究家
そうですね。『辺材』とは、木の皮に近い部分の材木のことです。木の幹を輪切りにすると、外側の白っぽい部分が辺材にあたります。内側の色の濃い部分は『心材』と言います。
リフォームを知りたい
なるほど。外側と内側で名前が違うんですね。辺材はどのように使われるのですか?
リフォーム研究家
辺材は心材に比べて色が薄く、柔らかく加工しやすいのが特徴です。そのため、床の下地や壁の下地など、あまり人の目に触れない部分に使われることが多いですね。また、価格も心材より安価なので、コストを抑える効果もあります。
辺材とは。
木の皮に近い部分の木材である『辺材』について説明します。辺材は中心部の木材(心材)と比べて、色が薄く明るいので、白太とも呼ばれています。主に、床下地や屋根下地など、仕上げ材の下に隠れる部分に使われています。
辺材:木の若い部分
木の断面をよく見ると、外側に白っぽい部分と、中心部に色の濃い部分があることに気付くでしょう。外側の白っぽい部分が辺材で、木の成長過程において、樹皮のすぐ内側に位置する若い部分にあたります。木の成長にとって重要な役割を担っている部分と言えるでしょう。木の根から吸い上げた水分や養分を、木の隅々まで行き渡らせる通路の役割を果たしているのが、まさにこの辺材です。木の成長を支える大切な役目を担っているのです。
辺材は、中心部の色の濃い心材とは異なる性質を持っています。辺材は心材に比べて柔らかく、加工しやすいという特徴があります。大工道具で削ったり、切ったりといった加工が容易なので、様々な用途に活用できます。また、辺材は一般的に白っぽい色をしていることから「白太」とも呼ばれます。この呼び名は、辺材の色合いの特徴をよく表しています。辺材は柔らかく加工しやすいだけでなく、塗料の吸い込みも良いという利点もあります。そのため、着色を施すことで、様々な色合いに仕上げることが可能です。
辺材は、その特性から建築資材として広く利用されています。柱や梁といった構造材としてはもちろんのこと、家具や建具、床材など、様々な用途に使用されています。柔らかく加工しやすいという特性は、職人が木材を扱いやすく、精巧な細工を施すことを可能にします。また、塗料との相性も良いため、仕上がりの美しさも期待できます。しかし、辺材は水分を多く含んでいるため、乾燥収縮が大きいという側面も持っています。木材を使う際には、この点に注意を払う必要があるでしょう。しっかりと乾燥させ、適切な処理を施すことで、長く使える丈夫な建材となります。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 辺材(白太) |
位置 | 木の断面の外側、樹皮のすぐ内側 |
役割 | 根から吸い上げた水分や養分の通路 |
性質 | 心材に比べて柔らかく、加工しやすい |
色 | 白っぽい |
加工性 | 容易 |
塗料の吸い込み | 良い |
用途 | 建築資材(柱、梁、家具、建具、床材など) |
注意点 | 水分を多く含むため、乾燥収縮が大きい |
辺材の役割と特徴
木の断面を見ると、中心部の色の濃い部分と外側の色の薄い部分に分かれているのに気付くことがあります。この外側の薄い部分が辺材です。辺材は、木にとって水分や養分の通り道という重要な役割を担っています。木の根が土壌から吸い上げた水分や養分は、辺材を通って枝葉へと運ばれます。そのため、辺材は常に水分を多く含んでおり、しっとりとした質感を持っています。
この水分を多く含む性質は、辺材の加工のしやすさにも繋がります。中心部の色の濃い心材に比べて、辺材は柔らかく、刃物で削ったり切ったりしやすいのです。大工道具で木材を加工する際、この柔らかさは大きな利点となります。また、辺材は心材よりも軽いので、持ち運びや施工が容易というメリットもあります。乾燥も速いため、工期短縮にも繋がります。
しかし、水分を多く含むということは、同時に腐りやすいというデメリットも抱えています。湿気を好む菌や虫は、辺材を格好の住処や栄養源と見なすからです。木材が腐ると強度が落ちてしまうため、建築資材として用いる際には注意が必要です。辺材を屋外で使用する場合は、防腐剤を塗布するなど、腐朽や害虫被害を防ぐための適切な処理が欠かせません。また、乾燥させて含水率を下げることも有効な手段です。このように、辺材は利点と欠点を併せ持っているため、用途に合わせて適切な処理を行うことで、その特性を最大限に活かすことができます。
項目 | 内容 |
---|---|
役割 | 水分や養分の通り道 |
質感 | しっとりとした質感 |
加工性 | 柔らかく、刃物で削ったり切ったりしやすい |
重量 | 軽い |
乾燥 | 速い |
耐久性 | 腐りやすい |
対策 | 防腐剤を塗布する、乾燥させて含水率を下げる |
辺材の利用方法
木材は、中心部の心材と外側の辺材に分けられます。辺材は心材に比べて柔らかく、水分を多く含んでいるため、腐りやすいという欠点があります。しかし、加工しやすいという利点もあり、様々な用途で活用されています。
建築の分野では、下地材として辺材が活躍しています。例えば、屋根を支える野地板や、床の下地となる荒床などです。これらの下地材は、最終的には仕上げ材で覆われて見えなくなる部分です。そのため、見た目の美しさや高い耐久性よりも、加工のしやすさや価格の安さが重視されます。辺材はまさにこれらの条件を満たしており、下地材として最適な材料と言えるでしょう。
また、合板などの木質板材の材料としても、辺材は多く利用されています。木質板材は、木材を薄くスライスしたり、細かく砕いたりして接着剤で貼り合わせて作られます。辺材は柔らかく加工しやすいので、木質板材の製造に適しています。
さらに、辺材は紙の原料であるパルプの製造にも使われています。パルプを作るには、木材を繊維状に細かくする必要がありますが、辺材の柔らかさは、この工程に適しています。木材を有効活用する上で、辺材の特性に合った使い道を見つけることは重要です。このように、辺材は建築資材、木質板材、パルプなど、私たちの生活に欠かせない様々な製品の原料として、幅広く利用されています。
一方で、辺材は腐りやすいという欠点があるため、防腐処理を行う必要があります。防腐処理には、薬剤を注入する加圧注入処理や、薬剤を塗布する表面処理など、様々な方法があります。用途に合わせて適切な防腐処理を行うことで、辺材を長く安全に使用することが可能になります。
項目 | 説明 |
---|---|
特徴 | 心材より柔らかく、水分が多く腐りやすいが、加工しやすい。 |
用途 | 下地材(野地板、荒床)、木質板材、パルプ |
防腐処理 | 加圧注入処理、表面処理 |
辺材と心材の違い
一本の木は、大きく分けて辺材と心材という二つの部分から成り立っています。どちらも同じ木の一部でありながら、性質や役割が大きく異なり、木材としての用途も変わってきます。
まず辺材は、木の外側に位置する部分です。木にとって重要な役割を担っており、根から吸収した水分や養分を木の全体に行き渡らせる通路の役割を果たしています。木の成長を支える大切な部分と言えるでしょう。辺材は一般的に白っぽい、もしくは薄い色をしていることが多く、柔らかく加工しやすいという特徴があります。しかし、水分を多く含んでいるため、腐りやすいという欠点も持っています。
一方、心材は木の内部に位置する部分です。辺材とは異なり、水分や養分の通路としての役割は終えており、木の構造を支え強度を保つ役割を担っています。長い年月を経る中で、辺材の一部が変化して心材へと変わっていきます。心材は、木の種類によって赤や茶、黒など濃い色をしていることが多く、辺材に比べて硬く、樹脂や抽出成分を含んでいるため腐りにくいという特徴があります。また、耐久性が高いことから、建築材や家具材など、様々な用途に利用されています。
このように、辺材と心材はそれぞれ異なる特徴を持っています。木材を選ぶ際には、用途や目的に合わせて、辺材と心材の特徴を理解した上で選ぶことが大切です。例えば、水に濡れやすい場所には、腐りにくい心材を使った木材を選ぶ、加工しやすい木材が必要な場合は辺材を選ぶなど、状況に応じて使い分けることで、より効果的に木材を活用することができます。
項目 | 辺材 | 心材 |
---|---|---|
位置 | 木の外側 | 木の内部 |
役割 | 水分・養分の通路 | 構造支持・強度保持 |
色 | 白っぽい、薄い色 | 赤、茶、黒など濃い色 |
硬さ | 柔らかい | 硬い |
腐敗 | 腐りやすい(水分多いため) | 腐りにくい(樹脂・抽出成分多いため) |
耐久性 | 低い | 高い |
用途 | 加工しやすいものが良い場合 | 建築材、家具材など |
辺材の注意点
木の外側、樹皮に近い部分にある辺材は、一般的に白っぽい色合いで、中心部の心材に比べて柔らかく、加工しやすいのが特徴です。そのため、建築材料としてだけでなく、家具や日用品など様々な用途に利用されています。加工のしやすさは大きな利点ですが、同時にいくつかの注意点も存在します。
まず、辺材は心材に比べて水分を多く含んでおり、腐りやすい性質を持っています。木材を腐らせる菌や、木を食べる虫は、水分を多く含んだ辺材を好みます。特に、湿気が多い場所に辺材を使う場合は、腐敗や食害のリスクが高くなります。そのため、屋外や水回りで使用する際は、防腐処理を施すことが不可欠です。防腐処理には、専用の薬剤を塗ったり、木材を加熱処理する方法などがあります。
また、辺材は乾燥すると収縮しやすいという性質も持っています。木材は、内部の水分が抜けていくと、その分体積が小さくなります。辺材は心材に比べてこの収縮率が大きいため、乾燥が不十分なまま使用すると、木材が反ったり、割れたりするなどの問題が発生する可能性があります。木材を使用する前に、しっかりと乾燥させることが大切です。十分に乾燥させることで、寸法変化による不具合を防ぐことができます。
さらに、辺材は柔らかく傷つきやすいという点にも注意が必要です。硬いものにぶつけたり、強い力を加えると、簡単に傷がついたり、へこんだりしてしまいます。取り扱いには注意が必要で、丁寧に扱うことが大切です。
これらの注意点に気をつけ、適切な処理や乾燥を行うことで、辺材のメリットを生かしつつ、安全に利用することができます。辺材特有の性質を理解し、用途に合わせた適切な選択と管理を心がけましょう。
項目 | 内容 | 注意点 |
---|---|---|
特徴 | 白っぽい、柔らかい、加工しやすい | – |
水分 | 心材より多く含む | 腐りやすい、虫害を受けやすい。屋外や水回りでは防腐処理が必要 |
乾燥 | 収縮しやすい | 乾燥不足だと反りや割れの原因になる。使用前に十分に乾燥させる |
強度 | 柔らかい、傷つきやすい | 取り扱いに注意、丁寧に扱う |
まとめ
木の幹を輪切りにすると、色の薄い外側の部分と色の濃い中心部分に分かれているのが分かります。外側の薄い部分が辺材、中心の濃い部分が心材と呼ばれています。辺材は木の成長に伴い、新しく作られる部分です。根から吸い上げた水分や養分を木の各部に送る、いわば木の血管のような役割を担っています。
辺材は、木の中でも若い部分なので、柔らかく加工しやすいという特徴があります。大工道具で簡単に切ったり削ったりすることができるので、建築現場では重宝されています。特に、野地板や荒床といった下地材によく使われています。野地板は屋根の仕上げ材の下に張られる板で、荒床は床材の下に張られる板です。どちらも仕上げ材で隠れてしまう部分なので、強度よりも加工のしやすさが求められます。そこで、加工しやすい辺材が活躍するのです。
しかし、辺材は柔らかく加工しやすい反面、水分を多く含んでいるため腐りやすいという欠点もあります。木材を腐らせる菌は、水分と栄養を好むため、辺材は格好の餌食になってしまうのです。そこで、辺材を屋外で使用する際には、防腐処理を行うことが不可欠です。防腐剤を注入することで、腐朽菌の繁殖を抑え、木材の寿命を延ばすことができます。
辺材と心材は、同じ木から取れる木材ですが、それぞれ異なる特性を持っています。辺材は柔らかく加工しやすい反面、腐りやすい。一方、心材は硬くて耐久性が高いものの、加工が難しい。このように、それぞれの特性を理解し、適材適所に使い分けることが、木材をより効果的に利用する上で重要です。木材は、家造りに欠かせない材料です。木材の種類や特性を学ぶことは、より良い家造りに繋がります。辺材の特性を正しく理解し、適切な場所に使うことで、住宅を長持ちさせることに繋がります。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 辺材 |
位置 | 木の外側部分 |
色 | 薄い |
役割 | 水分・養分の運搬 |
特徴 | 柔らかく、加工しやすい |
用途 | 野地板、荒床などの下地材 |
欠点 | 水分を多く含み、腐りやすい |
対策 | 防腐処理 |