蓄熱暖房で快適な冬を
リフォームを知りたい
先生、『蓄熱式電気暖房機』って夜間の安い電気を使うって書いてありますけど、どうして夜間の電気は安いんですか?
リフォーム研究家
いい質問だね。電気は、需要が少ない時間帯は供給が余ってしまうんだ。夜間はみんな寝ているから電気の使用量は少なくなるよね。その余った電気を有効活用するために、夜間の電気料金を安く設定しているんだよ。
リフォームを知りたい
なるほど。でも、日中に暖房を使うのに、夜に熱をためておくのはどうしてですか?
リフォーム研究家
それはね、昼間は電気の使用量が多いから電気料金が高いんだ。だから、夜間の安い電気を利用して熱をためておき、昼間はその蓄えた熱を使うことで、暖房にかかる電気代を節約できるんだよ。賢い仕組みだよね。
蓄熱式電気暖房機とは。
家屋を新しくしたり、修理したりする際に出てくる『熱をためておく電気暖房機』について説明します。この暖房機は、夜間の電気料金が安い時間帯に熱をためておき、日中にその熱で部屋を暖めるものです。熱の伝え方には二つの種類があります。一つは、ためておいた熱が自然に放出されて部屋を暖める方法です。もう一つは、部屋の温度が設定よりも低くなると、機械が風を起こして暖かい風を送り出す方法です。
夜間電力を活用した暖房
夜間電力を使った暖房器具として、蓄熱式電気暖房機というものがあります。これは、夜間の電気料金が安い時間帯に熱を蓄えておき、日中にその熱を放出して部屋を暖める仕組みです。日中は電気料金が高くなりますが、この暖房機は日中に電気をほとんど使わないので、エアコンなどの暖房器具に比べて光熱費を節約できるのが大きな利点です。
蓄熱式電気暖房機には、レンガのような蓄熱材に熱を蓄えるものや、水に熱を蓄えるものなど、いくつかの種類があります。蓄熱材の種類によって、放熱の仕方が異なってきます。レンガのような蓄熱材を使ったものは、ゆっくりと時間をかけて熱を放出するため、穏やかで長時間続く暖かさが特徴です。一方、水に熱を蓄えるものは、比較的早く熱を放出するため、短時間で部屋を暖めたい場合に適しています。
また、蓄熱式電気暖房機は、一度設置してしまえば、燃料の補充などの手間がかからないというメリットもあります。灯油を使う暖房器具のように、燃料を買いに行く手間や、燃料を補充する手間、そして燃料を保管するスペースも必要ありません。さらに、燃焼を伴わないため、空気を汚す心配がなく、換気の必要も少ないため、小さなお子さんやご高齢の方がいる家庭でも安心して使うことができます。
近年、光熱費の高騰が家計に大きな負担となっています。日中は割高な電気料金を気にせず、一日中快適な温度で過ごせる蓄熱式電気暖房機は、家計の負担を和らげる有効な手段と言えるでしょう。設置費用はかかりますが、長い目で見て光熱費を節約できるという点で、検討する価値のある暖房器具の一つです。
メリット | デメリット |
---|---|
光熱費の節約 | 設置費用がかかる |
穏やかで長時間続く暖かさ(レンガ式) | |
短時間で部屋を暖める(水式) | |
燃料補充などの手間がかからない | |
空気を汚さない、換気不要 |
二つの放熱方式
電気を使った蓄熱式の暖房機には、主に二つの熱の出し方があります。一つは「自然対流方式」です。この方式では、レンガのような蓄熱体に夜間の安い電気を使って熱をため込み、日中にゆっくりと放熱します。蓄熱体から放出される熱は、輻射熱と呼ばれています。輻射熱は、太陽の光を浴びているような、身体を芯から温めるような心地よい暖かさです。まるで日向ぼっこをしているような、穏やかな暖かさで部屋全体を包み込みます。また、空気の流れが自然でとても穏やかなので、乾燥したり、ホコリが舞ったりする心配も少なく、小さなお子さんや、お年寄り、アレルギー体質の方にも安心してお使いいただけます。快適で健康的な空間を保つことができるでしょう。
もう一つは「強制対流方式」です。この方式は、設定した温度よりも室温が下がると、内蔵されたファンが自動的に動き出し、温風を部屋中に送り出します。そのため、短時間で部屋を暖めたい時や、広い部屋を暖めたい時に効果的です。まるで、春のそよ風のように、温風を部屋全体に循環させることで、部屋のすみずみまで均一に暖めることができます。また、必要な時だけファンを動かすので、無駄な電力を使うことがなく、省エネルギーで経済的です。ファンを使うことで、室温を素早く上げることができ、急な来客時などにも対応できます。それぞれの目的に合わせて、最適な放熱方式を選ぶことが大切です。
項目 | 自然対流方式 | 強制対流方式 |
---|---|---|
蓄熱方法 | レンガのような蓄熱体に夜間の安い電気を使って熱をため込み、日中にゆっくりと放熱 | – |
熱の出し方 | 輻射熱 | 温風 |
暖かさの特徴 | 太陽の光を浴びているような、身体を芯から温めるような心地よい暖かさ 穏やかで部屋全体を包み込む |
春のそよ風のように、部屋全体に循環 部屋のすみずみまで均一に暖める |
空気の流れ | 自然で穏やか。乾燥、ホコリが少ない。 | ファンによる送風 |
メリット | 小さなお子さん、お年寄り、アレルギー体質の方にも安心 | 短時間で部屋を暖めたい時、広い部屋を暖めたい時に効果的 無駄な電力を使わない、省エネルギーで経済的 室温を素早く上げることができ、急な来客時にも対応 |
その他 | 快適で健康的な空間を保つ | – |
設置場所とメンテナンス
蓄熱式電気暖房機をどこに置くか、そしてどのように手入れをするかは、快適な冬を過ごす上でとても大切なことです。設置場所を適切に選ぶことで、暖房効率を高め、電気代の節約にも繋がります。まず、設置場所ですが、窓の近くや外気に直接触れる場所は避けましょう。せっかく蓄えた熱が外に逃げてしまい、効果的に部屋を暖めることができません。理想的な設置場所は、部屋の中央付近や、家族が集まるリビングなど、人がよくいる場所です。このように配置することで、暖房の効果を最大限に発揮し、部屋全体を均一に暖めることができます。
また、定期的なお手入れも欠かせません。蓄熱体に埃が溜まると、熱を蓄える効率が下がり、暖房効果が薄れてしまいます。さらに、埃は故障の原因にもなりかねません。安全にそして長く使うためには、年に一度は専門の業者に点検を依頼することをお勧めします。専門家は機器内部の埃を取り除き、各部品の状態をチェックし、必要に応じて修理や調整を行います。自分自身で掃除をする場合は、必ず電源を切り、取扱説明書をよく読んでから行うようにしましょう。間違った方法で掃除をすると、故障の原因となることがあります。
快適な暖房環境を長く維持するためには、正しい設置場所の選定と、定期的なメンテナンスが不可欠です。これらの点に注意を払い、冬を暖かく過ごしましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
設置場所 |
|
お手入れ |
|
快適な室温を保つ工夫
住まい心地の良さを大きく左右する室温。それを一年を通して快適に保つには、ちょっとした工夫が必要です。特に、夜間の電気料金が安い時間帯に熱を蓄え、日中に放熱する蓄熱式電気暖房機をご利用の場合、いくつか注意すべき点があります。
蓄熱式暖房機は、日中に熱を放出し続けるため、外気温の変化にすばやく対応することが難しいという特性があります。例えば、日中に日差しが強くなり、室温が設定温度よりも高くなってしまうことがあります。そのような時は、窓を開けて外の空気を取り込み、部屋の温度を下げる換気が有効です。また、直射日光を遮るカーテンを取り付けることで、室温の上昇をある程度抑えることができます。カーテンの色や素材によって遮光性能は変わるので、設置前にしっかり確認しておきましょう。
反対に、夜間の外気温が予想以上に低い場合は、蓄えた熱だけでは十分に暖房できないことがあります。そのような時は、エアコンや石油ストーブなどの補助暖房器具を併用することで、寒さを感じることなく快適に過ごすことができます。補助暖房器具を選ぶ際には、設置場所の広さや必要な暖房能力を考慮することが大切です。
最近では、温度調節機能が搭載された蓄熱式暖房機も販売されています。これらの機種は、室温の変化を感知し、自動的に放熱量を調整してくれるため、より細かい温度管理が可能です。また、タイマー機能を使って、生活リズムに合わせて運転時間を設定することもできます。
このように、蓄熱式暖房機の特徴を理解し、状況に応じて適切な対応をすることで、一年を通して快適な室温を保つことができるでしょう。快適な住環境は、心身の健康にもつながります。ぜひ、これらの工夫を取り入れて、より心地よい暮らしを実現してください。
蓄熱式電気暖房機の特性 | 対策 |
---|---|
外気温の変化にすばやく対応することが難しい。 日中に日差しが強くなり、室温が設定温度よりも高くなる場合がある。 |
・窓を開けて換気する ・直射日光を遮るカーテンを取り付ける |
夜間の外気温が予想以上に低い場合は、蓄えた熱だけでは十分に暖房できないことがある。 | エアコンや石油ストーブなどの補助暖房器具を併用する |
温度調節機能が搭載された機種もある。 | 温度変化を感知し自動で放熱量を調整、タイマー機能で運転時間の設定が可能 |
導入時の注意点
電気蓄熱暖房機を家に取り入れる際には、いくつか気を付ける点があります。まず、設置工事が必要になる場合が多いことを覚えておきましょう。電気蓄熱暖房機は大きな電力を必要とするため、家の電気配線やブレーカーの容量が足りないと、工事をしなければなりません。この工事には費用がかかるため、事前に確認しておくことが大切です。
機種によって大きさが異なるため、設置場所の広さをきちんと測っておくことも重要です。大きな機種を設置する場合、思ったよりも場所を取ってしまう可能性があります。設置場所の寸法だけでなく、周りの家具や通路との間隔なども考えて、十分なスペースを確保しましょう。
導入前に、販売店や工事をする業者とよく話し合うことが大切です。設置場所の状況や必要な工事の内容、費用について詳しく説明を受け、疑問点を解消しておきましょう。契約前にすべてを理解しておくことで、後から思わぬトラブルを防ぐことができます。
電気蓄熱暖房機を導入するには、最初に大きな費用がかかる場合があります。しかし、電気料金の安い夜間に熱を蓄え、日中に放熱する仕組みのため、毎月の電気代は安く抑えられます。そのため、長い目で見れば、お得な暖房方法と言えるでしょう。導入費用とランニングコストの両方を考慮し、ご家庭の状況に合った選択をするようにしましょう。
項目 | 注意点 |
---|---|
設置工事 | 電気蓄熱暖房機は大きな電力を必要とするため、家の電気配線やブレーカーの容量が足りないと、設置工事が発生する。工事費用も発生するため、事前に確認が必要。 |
設置場所 | 機種によって大きさが異なるため、設置場所の広さを事前に計測する。設置場所の寸法だけでなく、周りの家具や通路との間隔なども考慮し、十分なスペースを確保する。 |
導入前相談 | 販売店や工事をする業者とよく話し合う。設置場所の状況や必要な工事の内容、費用について詳しく説明を受け、疑問点を解消する。 |
費用 | 導入費用は高額になる場合もあるが、夜間電力を使用するためランニングコストは低い。導入費用とランニングコストの両方を考慮し、家庭の状況に合った選択をする。 |