雨樋の役割と種類、設置費用を解説

雨樋の役割と種類、設置費用を解説

リフォームを知りたい

『軒樋』って、屋根の雨どいの一部ですよね?どんなものか、もっと詳しく教えてください。

リフォーム研究家

そうですね。軒樋は屋根の軒先に沿って設置される雨どいの一部で、屋根から流れ落ちる雨水を集めて竪樋(たてどい)に流す役割を担っています。軒樋の断面は半円形が多く、材料は銅板や鉄板、合成樹脂など様々です。

リフォームを知りたい

雨を集めるだけなら、まっすぐな樋でもいいんじゃないですか? なぜ勾配をつけるんですか?

リフォーム研究家

良い質問ですね。もし軒樋に勾配がないと、雨水が流れずに溜まってしまい、樋から溢れ出てしまう可能性があります。 また、水が溜まったままの状態が続くと、樋の劣化を早める原因にもなります。 だから、雨水をスムーズに竪樋へ流すために、80分の1から100分の1程度の緩やかな勾配をつけているのです。

軒樋とは。

家の屋根の端に取り付けられて、屋根から流れ落ちる雨水を集める『のきどい』について説明します。のきどいは、屋根に沿って水平に取り付けられた、半円形の筒状のものです。雨水がスムーズに流れるように、100メートルにつき1メートル程度の傾斜をつけて、縦に設置された雨どいへと繋げます。材質は、銅板や亜鉛をメッキした鉄板、色付きの鉄板、人工樹脂などで作られています。

雨樋の役割

雨樋の役割

雨樋は、屋根に降った雨水を適切に集めて排水することで、私たちの住まいを様々な問題から守る、いわば家の縁の下の力持ちのような存在です。雨樋がない場合、屋根から流れ落ちる雨水は、家の外壁を伝って流れ落ち、外壁の劣化を早めてしまいます。雨風にさらされる外壁は、常に厳しい環境に置かれていますが、そこに雨水が加わることで、さらに劣化が加速してしまうのです。塗装が剥がれたり、ひび割れが発生したりと、美観を損なうだけでなく、建物の寿命にも影響を及ぼします。

また、雨水が地面に直接大量に落ちることで、建物の基礎部分に水が浸透し、家の土台を弱める原因にもなります。基礎は家を支える重要な部分であり、ここが弱ってしまうと、家の傾きや沈下といった深刻な問題に発展する可能性があります。さらに、地面に直接雨水が叩きつけられることで、庭が水浸しになり、ガーデニングを楽しめなくなるだけでなく、ぬかるみが発生しやすくなります。そして、跳ね返った泥水は外壁を汚し、美観を損ねるだけでなく、外壁材の劣化にも繋がります。

これらの問題を防ぐのが雨樋の役割です。屋根に降った雨水は、雨樋によって集められ、排水管を通して適切な場所に排水されます。これにより、外壁や基礎へのダメージを最小限に抑え、家の寿命を延ばすことに貢献します。また、庭への影響も軽減され、快適な住環境を維持することができます。雨樋はただ雨水を排水するだけでなく、家を守り、快適な暮らしを守るという重要な役割を担っているのです。そのため、適切な設置と定期的な点検、清掃といったメンテナンスを行うことで、雨樋の機能を維持し、長く安心して暮らせる家づくりに繋がります。

雨樋の有無 影響 結果
雨樋がない場合
  • 雨水が外壁を伝って流れ落ちる
  • 雨水が地面に直接大量に落ちる
  • 庭が水浸しになる
  • 跳ね返った泥水で外壁が汚れる
  • 外壁の劣化促進(塗装剥がれ、ひび割れ)
  • 建物の基礎部分への浸水
  • 家の土台が弱まり、傾きや沈下の可能性
  • ガーデニングへの悪影響、ぬかるみ発生
  • 外壁の汚れ、劣化
雨樋がある場合
  • 屋根に降った雨水を適切に集めて排水
  • 外壁や基礎へのダメージを最小限に抑える
  • 家の寿命を延ばす
  • 庭への影響を軽減
  • 快適な住環境の維持

雨樋の種類

雨樋の種類

雨樋は、屋根に降った雨水を集めて地面や排水溝に流すための大切な設備です。種類によって材質や形状、価格、そして耐久性などが大きく異なりますので、家の外観や周辺の環境、そしてもちろん予算も考慮しながら、最適なものを選びましょう。

雨樋の材質としてよく使われるものには、主に4つの種類があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

まず、銅板は、他の材質と比べて非常に耐久性が高いことが特徴です。年月が経つにつれて表面に緑青と呼ばれる緑色の錆が生じ、独特の味わい深い外観へと変化していきます。この経年変化を楽しめることが銅板の魅力と言えるでしょう。ただし、価格は他の材質と比べて高価になります。

次に、亜鉛めっき鋼板は、鉄板の表面に亜鉛のめっきを施したものです。銅板と比べると安価で、現在最も広く普及している雨樋の材料と言えるでしょう。耐久性も高く、価格と性能のバランスが良い材料です。

三つ目に、カラー鋼板は、亜鉛めっき鋼板に塗装を施したものです。豊富な色の中から家の外壁の色や屋根の色に合わせたコーディネートを楽しむことができます。近年、新築やリフォームで人気が高まっている材料です。

最後に、塩化ビニル樹脂は、軽く、施工しやすいという特徴があります。価格も比較的安価なため、手軽に設置できるというメリットがあります。しかし、他の材料と比べると耐久性が低いため、紫外線による劣化や熱による変形に注意が必要です。

このように、雨樋には様々な材質があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。家の立地条件や周辺環境、そして予算などを考慮し、適切な材質を選び、快適な住まいづくりに役立ててください。

材質 特徴 価格 耐久性
銅板 非常に耐久性が高い、経年変化で緑青が生じる 高価 非常に高い
亜鉛めっき鋼板 安価で現在最も普及している 安価 高い
カラー鋼板 亜鉛めっき鋼板に塗装、豊富な色 中程度 高い
塩化ビニル樹脂 軽く施工しやすい 安価 低い

軒樋の役割

軒樋の役割

屋根の軒先には、雨樋(あまどい)という大切な設備があります。この雨樋の中でも、軒先に水平に設置されている部分を軒樋(のきどい)と呼びます。軒樋は、屋根に降った雨水を集めて、排水するための重要な役割を担っています。軒樋は屋根の軒先に沿って水平に設置され、わずかな傾斜によって雨水を集めて、竪樋(たてどい)へとスムーズに流すように設計されています。

もし軒樋がなかったらどうなるでしょうか。雨は屋根から直接地面に落ちてしまい、家の周囲が水浸しになってしまいます。特に、集中豪雨の際には、家の基礎部分が水に浸かってしまい、建物の劣化を早める原因にもなりかねません。また、地面に叩きつけられた雨水の跳ね返りで、外壁が泥で汚れてしまうこともあります。軒樋があることで、これらの問題を防ぎ、家を雨から守ることができるのです。

さらに、軒樋は雨水の有効活用にも役立ちます。軒樋に雨水タンクを接続することで、集めた雨水を庭木への水やりや洗車などに再利用することができます。水道代の節約になるだけでなく、貴重な水資源を有効に活用することにも繋がります。近年、深刻化する水不足への対策としても、雨水タンクの設置は注目を集めています。

このように軒樋は、建物を雨風から守るだけでなく、環境にも優しい設備と言えるでしょう。家の美観を保ち、建物の寿命を延ばし、さらには環境保全にも貢献する軒樋は、住まいを守る上で欠かせない存在です。

軒樋の役割 メリット
屋根に降った雨水を集めて排水
  • 家の周囲が水浸しになるのを防ぐ
  • 建物の劣化防止
  • 外壁の汚れ防止
雨水の有効活用(雨水タンク接続)
  • 水道代の節約
  • 水資源の有効活用
  • 水不足対策
家の美観を保つ 建物の寿命を延ばす
環境保全に貢献

竪樋の役割

竪樋の役割

屋根に降った雨水を安全に地面へと導く、縦に設置された雨どい、それが竪樋です。屋根の軒先に沿って水平に設置された軒樋で集められた雨水は、この竪樋へと流れ込み、建物の基礎部分に影響を与えることなく排水されます。竪樋は、建物の寿命を延ばす上で非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。

竪樋がない場合、屋根から流れ落ちる大量の雨水は、地面に直接叩きつけられます。その衝撃で土が跳ね上がり、外壁を汚してしまうだけでなく、地面が削られ、建物の基礎部分がむき出しになる可能性もあります。むき出しになった基礎部分は、雨水の浸食を受けやすく、ひび割れなどの劣化を引き起こし、建物の強度を低下させる原因となります。また、大量の雨水が地面に直接流れ込むことで、地面が水浸しになり、建物の周囲に水たまりができることもあります。水たまりは、湿気を帯びた状態を長く続け、建物の腐食を促進させる原因となります。

竪樋はこれらの問題を解決し、建物を雨水の被害から守るのです。軒樋で集められた雨水を竪樋へとスムーズに流し、適切な場所に排水することで、基礎部分への水の浸透や、土の跳ね返りによる外壁の汚れを防ぎます。また、集中豪雨など、大量の雨水が一度に降った場合でも、竪樋は効率的に雨水を排水し、建物の周囲に水たまりができるのを防ぎます。

竪樋の材質は、家の外観や周辺の環境、そして予算に合わせて選ぶことができます。様々な材質があるので、家の雰囲気に合ったものを選ぶことで、建物の美観を損なうことなく、雨水対策を行うことが可能です。竪樋は建物の機能性と美観の両方を維持する上で、欠かせない存在と言えるでしょう。

竪樋の役割 竪樋がない場合のリスク 竪樋のメリット
屋根に降った雨水を安全に地面へと導く。
  • 雨水が地面に直接叩きつけられ、土が跳ね上がり外壁を汚す。
  • 地面が削られ、基礎部分がむき出しになる。
  • 基礎部分が雨水の浸食を受け、ひび割れなどの劣化を引き起こす。
  • 地面が水浸しになり、建物の周囲に水たまりができる。
  • 水たまりが湿気を帯びた状態を続け、建物の腐食を促進させる。
  • 基礎部分への水の浸透を防ぐ。
  • 土の跳ね返りによる外壁の汚れを防ぐ。
  • 集中豪雨時でも効率的に雨水を排水し、水たまりを防ぐ。
  • 家の外観や周辺環境、予算に合わせた材質を選べる。

雨樋の設置費用

雨樋の設置費用

雨樋は、屋根に降った雨水を集めて地中に流すための大切な設備です。設置費用は、住宅の大きさや形、使う材料、設置業者などによって変わってきます。一般的には、軒樋と竪樋の設置費用を合わせて、メートル当たりの単価で計算されます。例えば、一般的な住宅でよく使われる塩化ビニル樹脂製の雨樋の場合、メートル当たり数千円から1万円程度が相場となっています。

雨樋の材料には、塩化ビニル樹脂の他に、耐久性に優れたステンレスや、高級感のある銅板などがあります。これらの材料は、塩化ビニル樹脂に比べて費用が高くなる傾向があります。特に銅板は、他の材料に比べて数倍の費用がかかることもあるため、予算に余裕がある場合に検討するのが良いでしょう。また、ガルバリウム鋼板なども人気があり、耐久性と価格のバランスが良い材料として選ばれています。

設置費用には、材料費だけでなく、職人さんの作業費や足場の設置費用なども含まれます。住宅が高層階にある場合や、屋根の形状が複雑な場合は、足場の設置費用が高くなることがあります。また、既に古い雨樋が付いている場合は、その撤去費用が別途必要になる場合もあります。

設置業者によって費用設定は大きく異なるため、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切です。見積もりを依頼する際には、材料の種類やメートル数、足場の有無などを明確に伝え、詳細な見積もりを出してもらうようにしましょう。相場を把握し、適切な価格で設置工事を依頼することで、無駄な費用を抑え、安心して雨樋を設置することができます。

項目 内容
設置費用 住宅の大きさ、形、材料、設置業者によって異なる
軒樋と竪樋の設置費用を合計し、メートル当たりの単価で計算
相場は数千円〜1万円程度/メートル
雨樋の材料 塩化ビニル樹脂、ステンレス、銅板、ガルバリウム鋼板など
銅板は高価
費用の内訳 材料費、職人作業費、足場設置費用、古い雨樋の撤去費用
設置業者 業者によって費用設定が異なるため、複数社から見積もりを取得し比較検討
見積もり依頼 材料の種類、メートル数、足場の有無などを明確に伝える