セラミック:多様な可能性を秘めた素材
焼き物と聞くと、多くの人はご飯茶碗や湯呑み、お皿、花瓶といった陶磁器を思い浮かべるでしょう。確かにそれらは焼き物の代表例ですが、実は焼き物の仲間はもっと広く、様々な素材を含んでいます。元々は陶磁器全体を指す言葉でしたが、近年では高温で焼き固めて作る金属以外の無機材料の総称として使われています。
具体的には、れんがや耐火煉瓦といった耐火物、窓ガラスやびん、食器棚のガラス、コンクリートの原料となるセメントなども焼き物の仲間です。さらに、電子機器に欠かせない半導体として使われるシリコンや、炭素と結びついた炭化物、窒素と結びついた窒化物、ホウ素と結びついたホウ化物といった無機化合物を成形したものや粉末、薄い膜なども焼き物と呼ばれることがあります。つまり、焼き物は私たちの生活の様々な場面で活躍する、非常に多様な素材なのです。
例えば、家の壁や床に使われるタイルや、トイレや洗面台に使われる衛生陶器も焼き物の一種です。また、近年の技術革新により、人工骨や人工歯といった医療分野でも焼き物が活用されています。さらに、宇宙開発の分野でも、ロケットの耐熱材などに焼き物が使われているなど、その用途はますます広がりを見せています。
このように、焼き物は私たちの生活に欠かせない様々な製品の素材として使われています。高温で焼き固めることで得られる硬さや耐熱性、耐薬品性といった優れた特性は、多くの分野で重宝されています。今後も新しい技術開発によって、さらに多様な焼き物が生まれ、私たちの生活をより豊かにしてくれることでしょう。