壁紙の選び方:紙クロスの魅力
紙を主成分とした壁紙、紙クロスは、原料により大きく三種類に分けられます。その種類ごとに、見た目や質感、持ち味もそれぞれ異なり、お部屋の雰囲気作りに重要な役割を果たします。用途や好みに合わせて最適な種類を選ぶことが、満足のいくお部屋作りにつながります。
まず、広く普及しているのが洋紙系のクロスです。木材から作られるパルプを原料としており、表面に様々な加工を施すことで、多様な見た目を実現しています。例えば、インクを使って模様を印刷するプリント加工や、型押しで凹凸をつけるエンボス加工などがあります。これらの加工技術により、レンガや木目、石膏のような質感まで表現することが可能です。また、色や柄の種類も豊富で、価格も比較的安価なため、多くの住宅で選ばれています。
次に、和紙系のクロスは、こうぞやみつまたといった植物の繊維を原料としています。和紙特有の柔らかな風合いと、素材本来の自然な色味が魅力です。高級感があり、和室にはもちろん、洋室に取り入れることで、落ち着いた上品な空間を演出できます。また、通気性にも優れているため、湿気が気になる部屋にもおすすめです。
最後に、近年注目されているのが非木材紙系のクロスです。木材パルプの代わりに、ケナフや麻などの速く成長する植物を原料としています。木材の使用量を減らせるため、環境への負担が少ないことが大きな利点です。また、独特の風合いを持ち、自然素材ならではの温かみを感じられることも魅力の一つです。地球環境への配慮と、個性的な空間演出の両方を求める方にぴったりの素材と言えるでしょう。