付書院:和室の趣を深める工夫

付書院:和室の趣を深める工夫

リフォームを知りたい

先生、付書院って平書院とどう違うんですか?どちらも書院の一種ですよね?

リフォーム研究家

そうだね、どちらも和室の床の間の脇にある書院の一種だ。大きな違いは棚と、部屋の外への出っ張りだね。平書院は障子だけでできていて、壁と一体になっている。一方、付書院には棚があり、その棚の奥行き分だけ縁側か外に突き出ているんだよ。

リフォームを知りたい

なるほど。棚があるかないかと、出っ張りがあるかないかの違いですね。ということは、付書院の方が奥行きがある分、部屋が少し狭くなるんですか?

リフォーム研究家

その通り!付書院は部屋の外に張り出している分、部屋の中の空間は少し狭くなる。でも、その分、床の間の脇にちょっとした飾り棚のようなスペースができるので、使い勝手が良いとも言えるね。

付書院とは。

「家の改修工事」と「新しい家を作る事」に関係する言葉である「付け書院」(だししょいん)について説明します。付け書院とは、和室の床の間の横にある書院の一種です。書院には、平書院と付け書院の二種類があります。平書院は、明かり取りの障子だけのシンプルな作りになっています。一方、付け書院は、棚板と明かり取りの障子でできており、棚板の奥行きに合わせて縁側、もしくは家の外側に張り出しているのが特徴です。

付書院とは

付書院とは

付書院とは、日本の伝統的な家屋である和室に見られる、小さな机のような造作のことです。床の間に寄り添うように設置され、書物を読んだり、手紙を書いたり、飾り物を置いたりするなど、多目的に使われてきました。現代の住まいでも、その用途は広がり、机代わりにパソコンを置いたり、趣味の道具を飾ったりと、暮らしに合わせて活用されています。

付書院があることで、和室の雰囲気はがらりと変わります。空間に奥行きと趣が生まれ、落ち着いた雰囲気を醸し出す効果があります。これは、付書院が持つ独特の存在感と、それがもたらす視覚的な効果によるものです。

付書院の設置場所は、一般的に床の間の反対側の壁面です。格式高い床の間と対をなすように配置することで、部屋全体のバランスが整います。また、床の間と同じ高さに設置されることが多いのは、視覚的な統一感を出すためです。床の間と付書院の高さを揃えることで、空間に安定感が生まれます。

付書院の形は様々です。壁から棚板が突き出したシンプルなものから、精巧な彫刻や蒔絵が施された豪華なものまで、多種多様なデザインが存在します。家の大きさや和室の様式に合わせて、ふさわしいものを選ぶことが大切です。例えば、現代的な和室にはシンプルなデザインの付書院が、伝統的な和室には装飾性の高い付書院が合うでしょう。

付書院は、単なる造作ではなく、和室の空間をより豊かに、そして機能的に活用するための重要な要素です。設置することで、和の趣を感じられる落ち着いた空間を演出することができます。また、限られた空間を有効活用できるという実用的なメリットもあります。

項目 内容
概要 和室にある小机のような造作。書物を読んだり、手紙を書いたり、飾り物を置いたりなど多目的に使用される。
現代の用途 パソコンを置いたり、趣味の道具を飾ったりなど、暮らしに合わせて活用されている。
空間への効果 奥行きと趣が生まれ、落ち着いた雰囲気になる。
設置場所 一般的に床の間の反対側の壁面。床の間と同じ高さに設置されることが多い。
形状 シンプルなものから、彫刻や蒔絵が施された豪華なものまで様々。
デザインの選び方 家の大きさや和室の様式に合わせて選ぶ。現代的な和室にはシンプルなデザイン、伝統的な和室には装飾性の高いものが合う。
役割 和室の空間をより豊かに、そして機能的に活用するための重要な要素。
メリット 和の趣を感じられる落ち着いた空間の演出、限られた空間の有効活用。

付書院と平書院の違い

付書院と平書院の違い

書院造りは、日本の伝統的な住宅様式において格式高い座敷飾りです。大きく分けて付書院と平書院の二種類があります。どちらも障子戸で光を取り込み、落ち着いた雰囲気を作り出すという共通点を持っていますが、構造や機能に違いがあります。

平書院は、壁面に障子戸をはめ込んだだけのシンプルな造りです。その簡素さゆえに、限られた空間にも設置しやすいことが大きな利点です。障子を通して入る柔らかな光は、和室を明るく穏やかな雰囲気にしてくれます。平書院は、主に採光を目的として設置され、飾り棚や机としての機能はありません。部屋を広く見せたい場合や、光を多く取り込みたい場合に適しています。

一方、付書院は、平書院に違い棚と脇棚が付いたものです。違い棚とは、床の間の脇に段違いに設けられた棚のことで、書物や花瓶などを飾るのに使われます。脇棚は、違い棚の横に設けられた小さな棚で、筆記用具などを置くのに便利です。これらの棚が付いているため、付書院は収納スペースとしての役割も果たします。書物や文房具、飾り物などを置くことができ、和室を機能的に使うことができます。また、机の代わりとして使えるため、書斎のような使い方もできます。読書や書き物をしたり、お茶を飲んだりするなど、多目的に活用できる空間を作り出せます。

このように、平書院と付書院はそれぞれ特徴を持っています。どちらを選ぶかは、部屋の広さや用途、求める機能によって異なります。採光を重視し、シンプルな空間を好むのであれば平書院、収納力や機能性を重視するのであれば付書院がおすすめです。それぞれの良さを理解し、自分の好みに合った書院を選ぶことで、より快適で美しい和室を実現できるでしょう。

項目 平書院 付書院
構造 壁面に障子戸をはめ込んだシンプルな造り 平書院に違い棚と脇棚が付いたもの
機能 採光を目的 採光、収納スペース、机の代わり
収納 なし 書物、花瓶、筆記用具など
設置場所 限られた空間にも設置しやすい 比較的広い空間
メリット 部屋を広く見せ、光を多く取り込める 収納力があり、多目的に活用できる
おすすめ 採光重視、シンプルさを好む場合 収納力、機能性を重視する場合

付書院の材料

付書院の材料

付書院は、書院造の和室に見られる床の間の脇に設けられた、飾り棚や机の機能を持つ造り付けの家具です。その落ち着いた佇まいは、和室の格調を高める重要な要素となっています。付書院の材料として最も広く使われているのは木材です。檜、杉、欅などの国産の木材は、強度と耐久性に優れ、美しい木目も魅力です。特に檜は、特有の芳香と美しい光沢を持ち、高級な付書院によく用いられます。杉は、柔らかく加工しやすいという特徴があり、比較的安価で入手できるため、広く使われています。欅は、木目が美しく、強度も高いため、重厚感のある付書院に適しています。

これらの木材は、自然の風合いを生かしたまま、丁寧に仕上げられます。木材そのものが持つ調湿作用により、和室の湿度を快適に保つ効果も期待できます。棚板には、耐久性を高め、美観を向上させるために、漆塗りが施されることもあります。漆塗りは、独特の光沢と深みのある色合いが特徴で、付書院に高級感を与えます。また、漆は防水性にも優れているため、棚板を汚れや傷から守る役割も果たします。

付書院には、彫刻などの装飾が施される場合もあります。花鳥風月や伝統的な模様など、様々なデザインの彫刻が、付書院の美しさをより一層引き立てます。これらの彫刻は、熟練した職人の手によって丁寧に彫り込まれ、和室の雰囲気に奥行きを与えます。付書院を設置する際には、和室全体の雰囲気との調和を考えることが重要です。木材の種類や色合い、装飾のデザインなどを吟味することで、より洗練された和室空間を演出することができます。床の間の掛軸や花入れとの組み合わせにも配慮することで、一体感のある美しい空間を作り上げることができるでしょう。

項目 詳細
概要 書院造の和室の床の間に設けられた飾り棚や机。和室の格調を高める。
材質 主に木材(檜、杉、欅など)。
木材の特徴
  • 檜:芳香、光沢、高級感
  • 杉:柔らかく加工しやすい、安価
  • 欅:美しい木目、強度、重厚感
木材の利点 強度、耐久性、美しい木目、調湿作用
棚板の仕上げ 漆塗り(耐久性向上、美観向上、防水性)
装飾 彫刻(花鳥風月、伝統模様など)
設置時の注意点 和室全体の雰囲気との調和、床の間の掛軸や花入れとの組み合わせ

付書院の寸法

付書院の寸法

付書院の大きさは、和室の広さや置く場所に合わせて変えることができますが、一般的には奥行きが30センチメートルから45センチメートルほど、幅が90センチメートルから180センチメートルほどです。高さは床の間と同じ高さにすることが多く、75センチメートルから90センチメートルほどが一般的です。ただし、これらの大きさは目安なので、実際に取り付ける時は、和室に合わせて調整することが大切です。

例えば、狭い和室に大きな付書院を置くと、部屋が狭く感じてしまうことがあります。反対に、広い和室に小さな付書院を置くと、なんとなく物足りなく感じてしまうかもしれません。付書院の大きさを決める時は、和室全体の釣り合いを考えることが大切です。

また、付書院に何を置くのかも考える必要があります。例えば、本や筆記用具などを置く場合は、ある程度の奥行きが必要です。飾り物を置く場合は、幅や高さを考える必要があります。

奥行きについてですが、30センチメートルよりも狭いと、本などを置く際に不安定になりやすく、45センチメートルよりも広いと、部屋のスペースを圧迫してしまう可能性があります。30センチメートルから45センチメートルの間で、置くものや部屋の広さを考慮して決めると良いでしょう。

幅については、90センチメートルよりも狭いと、飾り物などを十分に飾ることができない可能性があり、180センチメートルよりも広いと、部屋のバランスが悪くなる可能性があります。90センチメートルから180センチメートルの間で、置くものや部屋の広さを考慮して決めると良いでしょう。

高さは、一般的に床の間と同じ高さにしますが、座った時の目線の高さや、部屋全体のバランスを考えて調整すると、より使いやすくなります。

付書院の大きさは、使いやすさにも大きく影響するので、よく考えて決める必要があります。

項目 目安 詳細
奥行き 30cm~45cm
  • 30cm未満:不安定
  • 45cm超:圧迫感
  • 置くもの、部屋の広さを考慮
90cm~180cm
  • 90cm未満:飾れない
  • 180cm超:バランス悪化
  • 置くもの、部屋の広さを考慮
高さ 75cm~90cm
  • 床の間と同じ高さ
  • 目線の高さ、部屋のバランスを考慮

まとめ

まとめ

和室に独特の趣を与える造作として、付書院があります。これは、単なる飾りではなく、書物や道具を置くなど、実用的な機能も兼ね備えています。近年、新築やリフォームにおいて、和室への付書院設置が見直されています。

付書院と似た造作に平書院がありますが、両者の違いは奥行きにあります。平書院は壁面に平らに作られますが、付書院は壁から少し突き出した構造です。そのため、付書院の方が収納力が高く、より多くの物を置くことができます。また、奥行きがあることで陰影が生まれ、和室の雰囲気を一層深みのあるものにします。

付書院の材料には、一般的に木材が用いられます。特に、檜や杉などの針葉樹は、美しい木目と心地よい香りが特徴で、和室の雰囲気と調和します。耐久性も高く、長く使い続けることができます。寸法は部屋の大きさに合わせて調整できますが、床の間の脇に設置する場合が多いため、床の間とのバランスも考慮する必要があります。専門の業者に相談することで、部屋に最適な大きさの付書院を設置することができます。

付書院を設置することで、和室はより洗練された空間へと変わります。書物や花瓶、掛け軸などを飾ることで、自分好みの空間を演出することができます。また、付書院自体が和室のアクセントとなり、視覚的な効果も期待できます。現代の生活様式にも取り入れやすく、畳の部屋だけでなく、フローリングの部屋にも調和します。和の雰囲気を高めたい、あるいは機能的な空間を求めるのであれば、付書院は魅力的な選択肢と言えるでしょう。日々の暮らしに落ち着いた雰囲気と安らぎを与えてくれるはずです。

項目 内容
種類 付書院
機能 書物や道具を置くなど、実用的な機能
特徴 壁から少し突き出した構造で収納力が高い、奥行きがあることで陰影が生まれ和室の雰囲気を一層深みのあるものにする
付書院と平書院の違い 奥行き(付書院の方が奥行きがある)
材質 木材(檜や杉などの針葉樹)
材質の特徴 美しい木目と心地よい香り、耐久性が高い
寸法 部屋の大きさに合わせて調整可能
設置場所 床の間の脇に設置する場合が多い
効果 和室を洗練された空間へと変える、和室のアクセントになる、視覚的な効果
設置場所 畳の部屋だけでなく、フローリングの部屋にも調和