打上天井:広々空間を演出

打上天井:広々空間を演出

リフォームを知りたい

先生、『打上天井』ってどういう意味ですか?リフォームでよく聞く言葉なので、知りたいです。

リフォーム研究家

いい質問ですね。『打上天井』とは、天井板を下から木の骨組みに釘で打ち付けて作る天井のことです。洋間の天井でよく見られますよ。天井板を支えるために、野縁受けという部材が必要になります。

リフォームを知りたい

なるほど。普通の天井と何か違いはあるんですか?

リフォーム研究家

『縁天井』という天井の作り方もありますが、こちらは天井板の端を壁に直接固定するので、野縁受けは必要ありません。打上天井は野縁受けが必要で、天井板を下から固定するので、仕上がりがすっきり見えるのが特徴です。

打上天井とは。

天井の仕上げ方の一つである『打ち上げ天井』について説明します。打ち上げ天井とは、天井板を下から細い木材(野縁)に釘で打ち付けて仕上げる方法です。西洋風の部屋の天井でよく使われています。似た工法に縁天井がありますが、打ち上げ天井は縁天井と違って、野縁を支えるための野縁受けという部材が必要になります。

打上天井とは

打上天井とは

打上天井とは、天井板を直接屋根の下地材に固定するのではなく、野縁という木材を使って少し下に吊り下げて作る天井のことです。この野縁は、壁の上部に水平に取り付けられた野縁受けという部材によって支えられています。天井板は、この野縁に下から釘で打ち付けられます。

一般的な天井は、天井裏の空間が限られていますが、打上天井は天井板と屋根の間にゆとりある空間を作り出します。そのため、部屋全体に開放感が生まれ、実際の面積よりも広く感じられる効果があります。天井が高いことで、視線が上方向へと抜けるため、空間全体の印象がすっきりとし、広々とした雰囲気を演出します。特に、洋風の住宅でよく採用され、開放的な空間を好む方々に人気です。

また、打上天井は断熱性を高める上でも効果的です。天井板と屋根の間にできた空間には、断熱材をたっぷり詰め込むことができます。この断熱材が、夏は外の熱気を室内に伝えにくくし、冬は室内の暖かさを外に逃がしにくくする役割を果たします。その結果、冷暖房効率が向上し、一年を通して快適な室温を保つことが容易になります。夏は涼しく、冬は暖かい、省エネルギーにも貢献する快適な住まいを実現する上で、打上天井は重要な役割を果たします。

このように、打上天井は、見た目の美しさだけでなく、機能性も兼ね備えた天井の作り方です。開放感あふれる空間を演出し、快適な住環境を実現したいと考えている方には、おすすめの選択肢の一つと言えるでしょう。

項目 説明
定義 天井板を野縁という木材で吊り下げて作る天井
構造 野縁受け→野縁→天井板
メリット 開放感、断熱性向上、省エネルギー
空間 天井板と屋根の間にゆとりある空間
見た目 実際の面積よりも広く感じられる
断熱材 天井と屋根の間の空間に詰め込む
効果 夏は涼しく、冬は暖かい
採用例 洋風の住宅

縁天井との違い

縁天井との違い

天井の仕上げ方の一つに、打上げ天井というものがあります。似たものに縁天井がありますが、この二つの工法は構造が大きく異なります。縁天井は天井板を壁や梁といった家の骨組みに直接固定します。一方、打上げ天井は野縁受けと呼ばれる木材を家の骨組みに設置し、そこに野縁と呼ばれる細い木材を平行に渡します。そして、この野縁に天井板を固定します。

このように、打上げ天井は縁天井に比べて施工の手間がかかります。しかし、天井板と家の骨組みの間に空間ができることが大きな利点です。この空間は様々な用途に活用できます。例えば、電気の配線や水道管などを隠すことができます。また、断熱材を詰めることで、家の断熱性能を高めることも可能です。さらに、この空間が音を吸収する効果も期待できます。そのため、打上げ天井を採用することで、より静かな室内環境を実現できるでしょう。

また、この空間を利用することで、天井に照明器具を埋め込むことも容易になります。ダウンライトなどを用いて、部屋全体を明るく照らしたり、特定の場所を強調したりするなど、様々な照明効果を演出することが可能です。

このように、打上げ天井と縁天井はそれぞれに異なる特徴を持っています。そのため、住宅を設計する際には、家の用途や希望する雰囲気に合わせて、どちらの工法を採用するかを慎重に検討する必要があります。例えば、リビングのような広い空間には、開放感を演出できる打上げ天井が適しているかもしれません。一方、寝室のような落ち着いた空間には、シンプルな縁天井が合うでしょう。それぞれの工法のメリット・デメリットを理解し、最適な選択をすることが大切です。

項目 打上げ天井 縁天井
構造 野縁受け→野縁→天井板 骨組みに直接固定
施工の手間 多い 少ない
メリット
  • 配線・配管を隠せる
  • 断熱材を詰められる
  • 防音効果
  • 照明器具を埋め込みやすい
  • 開放感の演出
シンプルな見た目
デメリット 施工の手間・コスト 空間の活用不可
適した空間 リビングなどの広い空間 寝室などの落ち着いた空間

メリットとデメリット

メリットとデメリット

打上げ天井は、空間の広がりを感じさせる魅力的な選択ですが、メリットとデメリットをしっかりと理解することが大切です。まず、何よりも大きなメリットは、その開放感です。天井が高いことで視界が広がり、部屋全体が広く感じられます。特に、マンションなど空間が限られた住まいでは、この開放感は大きな魅力となるでしょう。また、天井が高いため、背の高い家具を置いても圧迫感が少なく、ゆったりとした空間を演出できます。さらに、断熱材を天井裏に隙間なく敷き詰めやすいため、高い断熱性と保温性を実現できます。冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるため、光熱費の節約にも繋がります。また、天井に照明器具を埋め込んだり、間接照明を設置することで、おしゃれで洗練された空間を演出することも可能です。

一方、デメリットも存在します。まず、施工の難易度が高く、手間がかかるため、一般的な平らな天井に比べて費用が高額になる傾向があります。建築費用を抑えたい方にとっては、大きな負担となる可能性があります。また、天井が高くなる分、部屋全体の容積が増えるため、冷暖房の効率がやや低下する可能性があります。冷暖房の設定温度を高くしたり低くしたりする必要が出てくるかもしれません。しかし、前述のように断熱材をしっかりと施工することで、このデメリットはある程度解消できます。さらに、高い天井の掃除は容易ではありません。脚立や専用の掃除道具が必要になる場合もあり、こまめな掃除が難しいと感じる方もいるかもしれません。このように、打上げ天井にはメリットとデメリットが存在するため、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、慎重に検討することが重要です。

メリット デメリット
開放感がある 施工費用が高額になりやすい
ゆったりとした空間を演出できる 冷暖房効率がやや低下する可能性がある
断熱性・保温性が高い 掃除が大変
おしゃれな照明演出が可能

様々な空間への応用

様々な空間への応用

打上げ天井は、空間を広く見せる効果があり、様々な部屋で活用できます。リビングや食堂といった広い場所に採用されることが多いですが、寝室や子供部屋など、他の空間にも応用可能です。

部屋の広さや使い方に合わせて天井の高さを調整することで、より快適な空間を作り出すことができます。例えば、天井を高くすることで開放感を演出し、ゆったりとした雰囲気のリビングにすることができます。一方、子供部屋では、天井を少し低くすることで、落ち着きのある空間にすることも可能です。このように、天井の高さを変えることで、同じ打上げ天井でも様々な雰囲気を演出できるのです。

さらに、傾斜した天井である勾配天井と組み合わせることで、より変化に富んだ空間を創り出すことも可能です。例えば、勾配天井の高い部分に打上げ天井を設けることで、より広がりを感じさせる空間にすることができます。また、勾配天井と打上げ天井を組み合わせることで、小屋裏のような独特の雰囲気を演出することも可能です。

天井板の素材や色を変えることで、様々なデザインにも対応できます。木材を使うと温かみのある空間になり、家族団らんのひとときを優しく包み込むような雰囲気になります。一方、白い塗料を塗ると清潔感のある空間になり、すっきりとした印象を与えます。天井の色と壁の色を合わせることで、より統一感のある空間を演出することもできます。また、照明器具との組み合わせも重要です。ダウンライトやペンダントライトなど、照明器具の種類や配置によって、空間の印象を大きく変えることができます。このように、打上げ天井は、様々な工夫によって、多様な空間演出を可能にする魅力的な建築手法と言えるでしょう。

メリット 適用空間 高さ調整 勾配天井との組み合わせ 素材・色 照明
空間を広く見せる効果 リビング、食堂、寝室、子供部屋など 高くする:開放感、ゆったりとした雰囲気
低くする:落ち着きのある空間
勾配天井の高い部分:広がり
勾配天井全体:小屋裏のような雰囲気
木材:温かみ
白:清潔感
ダウンライト、ペンダントライトなど種類や配置で印象が変わる

まとめ

まとめ

天井を高くすることで、広々とした空間を演出できる打上天井。新築やリフォームで人気の仕上げ方法です。費用は一般的な天井仕上げよりも高くなりますが、得られる開放感やデザイン性の高さを考えると、検討する価値は大いにあります。

打上天井には、天井全体を高くする全面打上げと、一部だけを高くする部分打上げの二種類があります。部屋全体を広く見せたい場合は全面打上げ、特定の空間にアクセントをつけたい場合は部分打上げがおすすめです。リビングやダイニングに設けることで、家族団らんの時間をより豊かに過ごすことができます。また、吹き抜けと組み合わせることで、さらに開放的な空間を演出することも可能です。

打上天井は、空間を広く見せるだけでなく、照明効果を高めるという利点もあります。間接照明を取り入れることで、柔らかな光が天井に反射し、落ち着いた雰囲気を醸し出せます。ダウンライトを設置すれば、すっきりとした印象を与えることも可能です。天井が高くなることで、シーリングファンなどの大型照明器具も設置しやすくなります。

施工費用は、天井の高さや使用する材料、施工面積などによって異なります。そのため、事前に専門業者に見積もりを依頼し、予算に合わせて適切なプランを検討することが重要です。信頼できる業者を選ぶことで、施工の品質やアフターサービスも安心です。住宅の新築やリフォームを検討している方は、ぜひ打上天井の導入を検討してみてください。日々の暮らしが、より快適で豊かなものになるはずです。

項目 内容
種類 全面打上げ、部分打上げ
メリット 開放感の演出、デザイン性向上、照明効果向上(間接照明、ダウンライト、シーリングファン設置)
費用 一般的な天井仕上げより高額(天井の高さ、材料、施工面積による)、専門業者に見積もりが必要
施工 信頼できる業者を選ぶことが重要
その他 吹き抜けとの組み合わせ可能