スケルトン・インフィル住宅:未来への居住空間
家造りにおいて「スケルトン・インフィル」という考え方が注目を集めています。これは建物を骨組み(スケルトン)と中身(インフィル)に分け、それぞれ異なる寿命で更新していくという発想です。
家の骨組みは、人間の骨格のように建物を支える重要な部分です。具体的には柱や梁、床、基礎といった構造体で、これらをスケルトンと呼びます。スケルトンは建物の耐久性を左右する重要な要素であり、非常に高い強度と耐久性が求められます。そのため、高品質な素材を用い、入念に設計・施工することで、長期にわたって建物を支えることができるように造られます。一般的に、スケルトンの寿命は数十年から百年ほどと考えられています。
一方、中身(インフィル)は、間取りや設備、内装といった、私たちの暮らしを具体的に形作る部分です。具体的には、壁や天井、キッチン、浴室、トイレ、配管、配線などが含まれます。これらは家族構成の変化やライフスタイルの変化、設備の老朽化などによって、比較的短いスパンで更新が必要になります。インフィルの寿命は一般的に十数年から数十年ほどです。
スケルトンとインフィルを分けて考えることで、大規模な解体工事を伴わずに、内装や設備を刷新することが可能になります。例えば、家族が増えた際に部屋を分けたり、子供の成長に合わせて間仕切り壁を取り払ったり、最新設備に交換したりといったリフォームが容易になります。これは建物の寿命を延ばし、環境負荷を低減することにも繋がります。また、ライフスタイルの変化に合わせて住まいを柔軟に変化させられるため、より快適で持続可能な暮らしを実現することが期待できます。