飛石

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エクステリア

庭に趣を添える飛石の魅力

飛び石とは、主に茶庭や書院など日本の伝統的な庭に見られる、歩行のための石のことです。平たくて自然な趣のある石を、池に浮かぶ飛び石のように、ぽつんぽつんと配置することで、庭の中を歩くための道筋が作られます。一つ一つの石の上を踏みしめて歩を進めることで、庭の景色を心ゆくまで味わうことができます。 飛び石は、ただ歩くためだけのものではありません。庭全体の景色を美しく彩る装飾としての役割も担っています。自然の石ならではの、一つとして同じ形のない姿や色の違いは庭に奥行きと変化を与え、見る人の心を和ませます。まるで絵画のように配置された飛び石は、庭に静けさと落ち着きをもたらし、訪れた人を日常を離れた世界へと誘います。 飛び石の配置にも様々な工夫が凝らされています。大きな石と小さな石を組み合わせたり、石と石の間隔を調整することで、庭にリズムと変化が生まれます。例えば、石の間隔を狭くすることで、歩く速度を緩やかにし、景色をよりじっくりと眺められるように仕向けたり、広い間隔をあけることで、開放感と広がりを演出したりできます。また、石の向きや高低差を調整することで、自然な流れを表現し、より奥行きのある空間を作り出すことができます。 素材にも様々な種類があります。よく用いられるのは、加工しやすく風合いも豊かな安山岩や、独特の風情を持つ御影石です。他にも、その土地ならではの石が使われることもあり、庭の個性を際立たせる要素となっています。このように、飛び石は、日本の庭にとって無くてはならない存在であり、自然と調和した美しい空間を演出する上で重要な役割を担っているのです。