カビを防ぐ家づくりとリフォーム
日本の家は、高温多湿な気候への工夫として、風通しの良い木造建築が古くから主流でした。柱や梁で建物を支え、壁の多くは障子や襖で仕切られていました。そのため、自然と風が通り抜け、湿気がこもりにくい構造だったのです。しかし、戦後の高度経済成長期以降、住宅事情は大きく変化しました。コンクリート造で気密性の高い住宅が増え、湿気が外に逃げにくくなったことが、カビ発生の大きな要因の一つと言えるでしょう。
さらに、近年注目されている高断熱・高気密住宅は、冷暖房効率を高め、省エネルギーを実現する一方で、室内の湿気を閉じ込めてしまうという側面も持ち合わせています。気密性が高いということは、それだけ換気が重要になるということです。適切な換気を怠ると、湿気がたまりやすく、カビにとって絶好の繁殖場所を提供してしまうことになります。
建材にも注意が必要です。木材や畳、壁紙などは、湿気を吸収しやすい性質を持っています。湿気を含んだ建材は、カビの栄養源となり、繁殖を加速させるのです。特に、浴室やキッチンなどの水回り、結露が発生しやすい窓枠などは、カビが発生しやすい場所です。こまめな掃除と換気を行い、清潔な状態を保つことが大切です。日本の高温多湿な気候も、カビ発生を助長する要因の一つです。梅雨の時期や夏の高温多湿な環境は、カビが最も繁殖しやすい時期です。適切な換気と除湿を行い、カビの発生を抑制しましょう。カビは、見た目にも不快なだけでなく、アレルギーや呼吸器疾患の原因となるなど、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。快適で健康的な住まいを維持するためには、カビ対策は欠かせません。