建築資材の定番:トタンの魅力
トタンとは、薄い鉄板に亜鉛めっきを施した建築材料のことです。正式には亜鉛めっき鋼板と呼ばれ、建築で使われるものを特にトタンと呼んでいます。鉄板の表面を亜鉛で覆うことで、錆を防ぎ、耐久性を高めているのです。
古くから日本の家屋で広く使われてきました。特に波型の形状に加工した波板トタンは、外壁材として多くの家で使われ、独特の光沢と波模様が懐かしい景色を作り出しています。瓦屋根と並んで、日本の伝統的な家屋を象徴する材料の一つと言えるでしょう。
トタン屋根は、軽量で施工しやすいという利点があります。また、金属のため耐火性にも優れています。しかし、断熱性が低いため、夏は暑く、冬は寒いという欠点も持っています。このため、近年では断熱材と組み合わせるなど、工夫して使われています。
外壁材としては、近年、新しい材料の登場により利用は減ってきています。とはいえ、屋根材や壁の一部、物置など、様々な用途で今でも活躍しています。また、加工のしやすさから、日曜大工を楽しむ人から専門の職人まで、幅広い人々に利用されています。
入手しやすく、加工もしやすいことから、ちょっとした修理や補修にも重宝されています。例えば、雨どいや煙突、換気口の覆いなどにも使われています。最近では、ガルバリウム鋼板など、より耐久性の高い金属屋根材も登場していますが、価格の手頃さや加工のしやすさから、トタンは今でも頼りになる建築材料と言えるでしょう。