重量鉄骨で建てる家のメリット・デメリット
重量鉄骨造は、厚さ6ミリ以上の太くて頑丈な鉄骨を骨組みに用いる建築工法です。同じ鉄骨造である軽量鉄骨造と比べると、使用される鉄骨の厚みが大きく異なるため、建物の強度と耐久性において大きな違いがあります。軽量鉄骨造が主に戸建て住宅や小規模な集合住宅に使用されるのに対し、重量鉄骨造はマンション、アパート、高層ビルなどの大型建築物に採用されることが一般的です。もちろん、一般住宅でも使用されることがあります。
重量鉄骨造の大きなメリットの一つは、工場で鉄骨が精密に製造されることです。そのため、現場で組み立てを行う際に品質が均一で高い精度を保つことができます。これは、建物の安全性や耐久性向上に大きく貢献します。また、柱と梁を強固に接合する「ラーメン構造」を採用することで、地震や台風などの外力に強い構造を実現します。ラーメン構造は、建物の強度と安定性を向上させる上で非常に重要な役割を果たしています。
さらに、重量鉄骨造は在来工法と比べて柱や梁の位置に制約が少ないため、広い空間を確保できるという利点があります。壁の配置を自由に決められるため、間取りの自由度が高く、居住者のライフスタイルに合わせた空間設計が可能です。大きな開口部を設けることも容易なため、開放的な空間を実現し、デザイン性にも優れた住宅を建てることができます。このように、重量鉄骨造は強度、耐久性、自由度の高さなど、多くの魅力を備えた建築工法と言えるでしょう。