照明の配光で快適な空間を
明るさと同じくらい大切なのが、照明器具の光がどのように広がるかを示す『配光』です。照明器具を選ぶ際には、この配光にも注目することで、より快適な空間を作ることができます。配光は、照明器具の見た目や材料、中の構造によって、様々な広がり方をします。
例えば、スポットライトを考えてみましょう。スポットライトは、舞台の照明のように、特定の場所を明るく照らすために使われます。これは、光が狭い範囲に集中するように設計されているからです。反対に、天井に取り付けるシーリングライトは、部屋全体を均一に明るく照らすことを目的としています。そのため、光は天井全体から広く拡散するように設計されています。このように、同じ照明器具でも、その目的や用途によって配光の仕方が大きく異なります。
この配光の違いを理解することは、目的に合った照明選びに不可欠です。例えば、寝室で使う照明を考えてみましょう。寝室は、一日の終わりに心身を休めるための空間です。そのため、落ち着いた雰囲気を作るために、光が柔らかく広がる配光の照明器具を選ぶと良いでしょう。反対に、読書をするための空間には、手元をしっかりと照らす、集中的な配光の照明器具が適しています。このように、それぞれの場所に合った配光を選ぶことで、より快適な暮らしを送ることができます。
さらに、壁や天井の色も配光に影響を与えます。白い壁や天井は光をよく反射するため、部屋全体が明るく感じられます。逆に、黒い壁や天井は光を吸収するため、落ち着いた雰囲気になりますが、照明器具の明るさによっては暗く感じることもあります。このように、部屋の色と照明器具の配光を組み合わせて考えることで、より理想的な空間を作り出すことができます。