
敷居:家の間仕切りの縁の下の力持ち
敷居は、日本の伝統的な住宅において、建具の開閉を滑らかにし、部屋を仕切る重要な役割を担っています。 襖や障子といった引き戸式の建具は、敷居の上を滑るように移動することで開閉します。敷居がないと、建具は床に直接こすれてしまい、開閉がスムーズに行かず、傷みが早くなってしまいます。
敷居は、木材や金属、樹脂などで作られており、開口部の床に水平に取り付けられます。建具の下部には溝やレールが設けられており、この溝やレールが敷居と組み合わさることで、建具が安定して開閉できるようになります。敷居の高さは、建具の種類や設置場所によって異なりますが、一般的には数センチメートル程度です。 高すぎるとつまづきやすくなり、低すぎると建具の開閉がスムーズに行えなくなります。
敷居は建具の支持材としての役割だけでなく、部屋と部屋を仕切る境界線としての役割も担っています。 敷居があることで、空間を視覚的にも機能的にも区切ることができ、それぞれの部屋の独立性を保つことができます。例えば、リビングと和室の間に敷居を設けることで、それぞれの空間の雰囲気を壊すことなく、必要に応じて襖や障子を開閉することで、一体的な空間として利用することもできます。
また、敷居は段差を作ることで、小さな虫や埃、冷気などが隣の部屋へ移動するのを防ぐ役割も期待できます。特に冬場は、冷気が入り込むのを防ぐことで、暖房効率を高める効果も期待できます。
このように、敷居は日本の住宅において、空間を構成し、快適な居住環境を作る上で、重要な役割を果たしていると言えるでしょう。