木材の基礎知識:辺材とは?
木の断面をよく見ると、外側に白っぽい部分と、中心部に色の濃い部分があることに気付くでしょう。外側の白っぽい部分が辺材で、木の成長過程において、樹皮のすぐ内側に位置する若い部分にあたります。木の成長にとって重要な役割を担っている部分と言えるでしょう。木の根から吸い上げた水分や養分を、木の隅々まで行き渡らせる通路の役割を果たしているのが、まさにこの辺材です。木の成長を支える大切な役目を担っているのです。
辺材は、中心部の色の濃い心材とは異なる性質を持っています。辺材は心材に比べて柔らかく、加工しやすいという特徴があります。大工道具で削ったり、切ったりといった加工が容易なので、様々な用途に活用できます。また、辺材は一般的に白っぽい色をしていることから「白太」とも呼ばれます。この呼び名は、辺材の色合いの特徴をよく表しています。辺材は柔らかく加工しやすいだけでなく、塗料の吸い込みも良いという利点もあります。そのため、着色を施すことで、様々な色合いに仕上げることが可能です。
辺材は、その特性から建築資材として広く利用されています。柱や梁といった構造材としてはもちろんのこと、家具や建具、床材など、様々な用途に使用されています。柔らかく加工しやすいという特性は、職人が木材を扱いやすく、精巧な細工を施すことを可能にします。また、塗料との相性も良いため、仕上がりの美しさも期待できます。しかし、辺材は水分を多く含んでいるため、乾燥収縮が大きいという側面も持っています。木材を使う際には、この点に注意を払う必要があるでしょう。しっかりと乾燥させ、適切な処理を施すことで、長く使える丈夫な建材となります。