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工法

建築一式工事の基礎知識

家を建てる、あるいは大きく改修する工事には、様々な専門家が関わってきます。基礎を作る人、骨組みを作る人、壁を作る人、配線をする人、水道管を敷設する人など、多岐にわたります。これらの工事一つ一つを別々の業者に依頼し、それぞれと契約を結んで管理していくのは、大変な労力と時間を要します。そこで、全ての工事を一括して請け負うのが、「建築一式工事」です。まるでオーケストラの指揮者が演奏者全体をまとめるように、一社が全ての工事を取りまとめ、各専門業者に指示を出して、家を完成させます。 建築一式工事を利用する最大のメリットは、発注者が個々の業者とやり取りする手間を省けることです。工事全体のスケジュール管理や、各業者との連絡調整、品質管理など、煩雑な作業を一括して請け負ってくれるため、発注者は工事の進捗状況を把握しやすくなり、安心して任せることができます。また、何か問題が発生した場合も、窓口が一箇所なので、対応がスムーズです。 しかし、建築一式工事に含まれない工事もあることを理解しておく必要があります。例えば、家の周りの道路を整備したり、電気、ガス、水道などのライフラインを引き込んだりする工事は、通常、建築一式工事には含まれません。これらは別途、各事業者に依頼する必要があります。また、元請け業者がさらに別の業者に一部の工事を依頼する、いわゆる下請け工事も建築一式工事にはあたりません。建築一式工事とは、元請け業者が全ての工事の責任を負い、自ら管理、監督する工事のことを指します。 このように、建築一式工事は家を建てる、あるいは大きく改修する上で、発注者の負担を軽減し、工事全体をスムーズに進めるための重要な仕組みです。ただし、契約内容をよく確認し、含まれる工事と含まれない工事をきちんと把握しておくことが大切です。