製図

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設計

キャビネット図:家具デザインの基礎知識

収納家具などの箱型の家具を描くのに特化した図面を、キャビネット図と呼びます。この図面は、正面図と側面図を組み合わせた独特の描き方をしています。正面は、実際に家具を見た時と同じ形で描かれますので、扉のデザインや取っ手の位置などが分かりやすい形になっています。側面は奥行き方向に45度傾けて描くのが特徴です。このように描くことで、正面と側面を一つの図面で見ることができ、家具全体の立体的な形を捉えやすくなります。 たとえば、食器棚を例に考えてみましょう。正面図では、扉の大きさや配置、棚板の枚数が分かります。キャビネット図では、それに加えて、側面図によって食器棚の奥行きや全体の高さも一度に把握できます。複雑な透視図法で描くよりもシンプルなので、立体的な形を把握しやすいという利点があります。 また、キャビネット図は手描きでも比較的簡単に描くことができるため、設計の初期段階でアイデアを練ったり、現場で職人とすぐに情報を共有したりする際に役立ちます。家具のデザインを考える際、色々な角度から検討したい時などにも、手軽に描くことができるので便利です。もちろん、図面に寸法を記入すれば、製作図としても活用できます。家具職人にとって、キャビネット図は、デザインから製作まで、あらゆる段階で活用できる重要な図面と言えるでしょう。このように、キャビネット図は、箱型の家具を分かりやすく表現し、製作に役立つことから、家具業界で広く使われています。
設計

図面を読み解く:投影図の基礎知識

投影図とは、立体的な物を平面上に描き表す技法のことです。建物を建てる、あるいはリフォームをする際に、設計図を読むことはとても大切です。設計図には様々な種類の図面が含まれていますが、その中でも投影図は建物の全体像や細かい部分の構造を理解するために欠かせない図面です。 私たちの身の回りにある物は、全て高さ、幅、奥行きを持つ立体です。しかし、紙などの平面に図を描く時は、この三次元の情報を二次元の平面上に表現しなければなりません。そこで使われるのが投影図です。投影図は、決められたルールに従って立体を平面に描き表すことで、私たちが頭の中でその物の形や大きさを再現できるように工夫されています。まるで空から見下ろした地図のように、平面上に広げられた情報を読み解くことで、実際の建物の姿が想像できるようになります。 投影図には様々な種類がありますが、建築の分野でよく使われるのは平面図、立面図、断面図です。平面図は建物を上から見下ろした図で、部屋の配置や広さ、開口部の位置などが分かります。立面図は建物を正面や側面から見た図で、建物の外観や高さ、窓の位置などが分かります。断面図は建物をある平面で切った断面を表した図で、建物の内部構造や高さ、各階の床や天井の位置などが把握できます。 このように、投影図は設計者と施工者、そして施主の間で共通の認識を築き、建物を形作るための重要なコミュニケーションツールと言えるでしょう。投影図を正しく理解することで、建物の完成イメージを共有し、よりスムーズな家造り、リフォームが可能になります。
設計

CADで変わる家づくり

かつて家の設計図を描くといえば、製図板に向かい、定規やコンパスを使って線を引く職人の姿を思い浮かべました。線を一本引くにも、熟練の技と時間が欠かせませんでした。ミリ単位の狂いも許されない、緻密で根気のいる作業です。図面が完成するまでには、幾度となく修正を重ね、膨大な時間を要しました。 しかし、計算機技術の進歩は、設計の世界にも大きな変化をもたらしました。今では、計算機支援設計(キャド)と呼ばれる仕組みが主流となっています。キャドは、単に製図作業を効率化するだけでなく、設計の可能性を大きく広げました。 まず、図面の修正が容易になりました。従来のように、線を消しゴムで消して描き直す必要はありません。計算機上で修正ができるため、試行錯誤を繰り返しながら、より良い設計を追求できます。また、立体的な図面を作成することも容易になり、完成形をより具体的にイメージできるようになりました。施主も設計者も、完成イメージを共有しやすくなったことで、意思疎通がよりスムーズになり、満足度の高い家づくりにつながります。 さらに、採光や換気などのシミュレーションも可能になりました。例えば、窓の位置や大きさによって、部屋の明るさや風の流れがどのように変化するかを事前に確認できます。これにより、快適な住環境を実現するための最適な設計を行うことができます。 設計者は、キャドを駆使することで、施主の夢をより具体的に、より分かりやすく形にすることができるようになりました。まるで魔法の杖を手にしたように、施主の頭の中にある漠然としたイメージを、現実的な形へと変換していくのです。かつては職人の熟練の技に頼っていた設計作業も、今では計算機の力を借りて、より精密に、より自由に、そしてより迅速に行えるようになりました。これにより、施主一人ひとりの理想を叶える、より豊かな住まいづくりが可能になったと言えるでしょう。