趣ある空間を演出する底目板天井
底目板天井は、日本の伝統的な建築様式で用いられる、趣のある天井装飾です。別名「目透かし天井」とも呼ばれ、天井板を隙間を開けて張り、その奥に別の板を張ることで、奥行きを感じさせる意匠となっています。
名前の由来は、板と板の間に設けた隙間から、奥に張られた板が「目透かし」のように見えることにあります。このわずかな隙間が、空間に奥行きとリズム感を与え、光と影の繊細な interplay を生み出し、洗練された印象を作り上げます。
一見簡素な構造に見えますが、その効果は絶大です。天井板と目透かし部分の板に異なる色合いの木材を使うことで、空間にメリハリと奥行きが生まれます。例えば、天井板に濃い色の木材、目透かし部分に明るい色の木材を用いると、コントラストが際立ち、より印象的な空間を演出できます。また、木材の種類を変えることでも、空間の雰囲気を大きく変えることができます。
古民家や寺院建築などでよく見られる底目板天井ですが、現代の住宅にも違和感なく取り入れることができます。和室はもちろんのこと、リビングや寝室などにも用いることで、落ち着いた和の雰囲気を醸し出すことができます。天井全体に施工するだけでなく、一部に底目板天井を取り入れることで、空間にアクセントを加えることも可能です。
素材や色の組み合わせ、施工面積などを工夫することで、様々な表情を見せる底目板天井は、日本の伝統美と現代建築の融合を実現する、魅力的な選択肢と言えるでしょう。照明との組み合わせも重要で、間接照明などを用いると、陰影がより美しく際立ち、空間の雰囲気を一層高めることができます。