猫間障子

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猫間障子と雪見障子:古民家の魅力

猫間障子。そのかわいらしい名前の通り、かつては猫が自由に出入りできるようにと作られた、小さな出入り口を持つ障子です。障子といえば、部屋を仕切り、光を柔らかく通し、視線を遮る、日本の伝統的な建具です。その障子の一部に、猫が通れるだけの小さな開口部を設けたものが、猫間障子と呼ばれるようになりました。 この猫間障子が生まれた背景には、日本の住まいと猫との深い関わりがあります。古くから、日本では猫は大切な家族の一員として、家の中で共に暮らしてきました。ネズミを捕ってくれる益獣としてだけでなく、その愛らしい姿で人々の心を癒してくれる存在でした。しかし、障子を閉め切ると、猫は自由に出入りすることができません。そこで、猫のためにと考え出されたのが、この小さな工夫でした。 猫間障子の形状は様々です。丸や四角、ひょうたん型など、家の造りや猫の大きさ、飼い主の好みによって、様々な形に作られました。中には、猫の顔の形に切り抜かれた、手の込んだ猫間障子も見られます。このような猫間障子は、家の装飾としての役割も担い、住まいをより豊かで個性的なものにしていました。 現代の住宅では、気密性の向上やペットドアの普及などにより、猫間障子を見かける機会は少なくなってきました。しかし、そのかわいらしさと機能性から、今でもリフォームなどで取り入れる人がいます。また、猫間障子は、単なる猫の出入り口としてだけでなく、換気や採光を調整するのにも役立ちます。小さな開口部を開けることで、部屋の空気を入れ替えたり、光を取り込んだりすることができるのです。 猫への愛情と日本の住まいの知恵が凝縮された猫間障子は、今もなお、多くの人々を魅了し続けています。小さな工夫の中に、日本の伝統と文化、そして人と動物の温かい関係性が垣間見える、そんな存在と言えるでしょう。