浮き床

記事数:(1)

工法

置き床:快適な空間を実現する技術

置き床とは、フリーアクセスフロアとも呼ばれる、建物の床を二重構造にする工法のことです。コンクリートの土台となる床の上に空間を設け、その上に仕上げ材の床を施工します。この床と土台の間にできた空間が、置き床の大きな特徴であり、様々な利点をもたらします。 まず第一に挙げられるのが、配線や配管の自由度です。通常、床下の配線や配管はコンクリートに埋め込まれていますが、置き床の場合はこの空間に自由に配置できます。そのため、オフィスなどで電話線やLANケーブルなどの配線を増やす場合でも、床を剥がすことなく容易に行えます。また、水漏れなどのトラブル発生時にも、すぐに配管を確認し修理できるので、メンテナンスや改修工事の手間と費用を大幅に削減できます。 さらに、この空間は空気層となるため、断熱効果も期待できます。床下の冷気を遮断し、室内の温度を一定に保ちやすくなるため、冬は暖かく、夏は涼しく過ごせます。また、遮音効果も期待できるため、階下への生活音の伝わりを軽減し、快適な住環境を実現できます。 近年、オフィスビルや情報処理を行う建物などで広く採用されています。配線の変更が多いオフィスや、サーバーなど多くの機器を設置する情報処理施設では、置き床のメリットが特に大きく活かされます。また、住宅への導入も増えており、床暖房との組み合わせも可能です。仕上げ材の種類も豊富で、木材、タイル、カーペットなど、様々な素材から選択できます。デザイン性にも優れているため、空間の雰囲気に合わせて自由に床材を選ぶことができます。このように、置き床は機能性とデザイン性を兼ね備えた、現代の建築に適した工法と言えるでしょう。