合併浄化槽のメリット・デメリット
合併浄化槽とは、家庭から出る様々な種類の排水を一括して処理する浄化槽のことです。簡単に言うと、家の中のあらゆる排水が一つの浄化槽に集められ、微生物の力で浄化される仕組みです。
従来よく使われていた単独浄化槽は、トイレの汚水、つまり屎尿のみを処理対象としていました。一方、合併浄化槽はトイレの汚水だけでなく、お風呂、キッチン、洗面所など、生活の中で発生するほぼすべての排水を処理することができます。具体的には、食器を洗った後の排水や、洗濯機の排水、お風呂の残り湯なども含まれます。これらをまとめて処理することで、河川や海などの水質汚染をより効果的に防ぐことができるのです。
合併浄化槽内では、微生物が汚れを分解する働きをしています。これらの微生物は、汚水に含まれる有機物を栄養源として活動し、水をきれいに浄化してくれます。浄化された水は、その後、放流基準を満たしたのちに河川などに放流されます。
ただし、一つ注意しておきたいのは、雨水は合併浄化槽で処理できないということです。屋根などに降った雨水は、雨どいを通って雨水管に集められ、そのまま河川や下水道に流れていきます。合併浄化槽に雨水が入ってしまうと、浄化槽の処理能力を超えてしまい、浄化が不十分なまま排水されてしまう可能性があるからです。そのため、雨水は合併浄化槽とは別の経路で処理されるようになっています。