
打上天井:広々空間を演出
打上天井とは、天井板を直接屋根の下地材に固定するのではなく、野縁という木材を使って少し下に吊り下げて作る天井のことです。この野縁は、壁の上部に水平に取り付けられた野縁受けという部材によって支えられています。天井板は、この野縁に下から釘で打ち付けられます。
一般的な天井は、天井裏の空間が限られていますが、打上天井は天井板と屋根の間にゆとりある空間を作り出します。そのため、部屋全体に開放感が生まれ、実際の面積よりも広く感じられる効果があります。天井が高いことで、視線が上方向へと抜けるため、空間全体の印象がすっきりとし、広々とした雰囲気を演出します。特に、洋風の住宅でよく採用され、開放的な空間を好む方々に人気です。
また、打上天井は断熱性を高める上でも効果的です。天井板と屋根の間にできた空間には、断熱材をたっぷり詰め込むことができます。この断熱材が、夏は外の熱気を室内に伝えにくくし、冬は室内の暖かさを外に逃がしにくくする役割を果たします。その結果、冷暖房効率が向上し、一年を通して快適な室温を保つことが容易になります。夏は涼しく、冬は暖かい、省エネルギーにも貢献する快適な住まいを実現する上で、打上天井は重要な役割を果たします。
このように、打上天井は、見た目の美しさだけでなく、機能性も兼ね備えた天井の作り方です。開放感あふれる空間を演出し、快適な住環境を実現したいと考えている方には、おすすめの選択肢の一つと言えるでしょう。