合板:暮らしを支える万能素材
合板とは、薄い板状の木材(単板)を複数枚重ねて接着剤で貼り合わせて作る板のことです。一枚板の無垢材とは異なり、製造工程に特徴があります。まず、原木を回転させながら薄く削り出し、まるで大根の皮をむくように、連続して薄く長い板状の木材を得ます。この薄い板が単板と呼ばれ、合板の原料となります。合板を作る際には、この単板を奇数枚、繊維方向が交互になるように重ねて接着剤で貼り合わせます。木目を直交させることで、一枚板に比べて強度や寸法安定性が向上します。
重ねる単板の枚数は、用途や必要な強度によって3枚、5枚、7枚、9枚と奇数で変化します。枚数が多くなるほど合板は厚くなり、強度も増します。薄い板を何層にも重ねることで、一枚板にはない強度と安定性を実現しているため、建築現場だけでなく、家具や梱包材など、様々な用途で利用されています。
合板は、製造方法によって様々な種類があります。一般的なものは普通合板と呼ばれ、構造用合板は建築物の構造部分に使用されるなど、それぞれ使用目的に適した強度や耐久性が求められます。また、表面に化粧シートを貼った化粧合板は、家具や内装材として広く使われています。このように合板は、その特性を生かして様々な場所で活躍しています。最近では、環境への配慮から、間伐材や植林木を原料とした合板も普及しており、持続可能な社会の実現にも貢献しています。