家の顔、引手の選び方
住まいの雰囲気を左右する大切な要素の一つに、引手があります。玄関扉をはじめ、襖や障子、収納扉など、住まいの様々な場所に用いられる引手は、種類が実に豊富です。
まず、材質の豊富さが挙げられます。温かみのある木の引手は、落ち着いた雰囲気を醸し出します。重厚感あふれる金属の引手は、空間に風格を与えます。また、趣のある焼き物の引手や、柔らかな風合いの革の引手など、素材によって住まいの印象は大きく変わります。天然素材ならではの経年変化を楽しめるのも魅力です。
形も様々です。無駄を削ぎ落とした簡素な棒状の引手は、現代的な空間に調和します。繊細な彫刻が施された装飾的な引手は、伝統的な空間に映えます。丸みを帯びた引手は優しい印象を与え、角張った引手は空間を引き締めます。
大きさも重要な要素です。大きな扉には存在感のある大きな引手、小さな扉には控えめな小さな引手など、扉の大きさやデザインとのバランスを考えることで、空間全体の調和が生まれます。
近年は、機能性を重視した引手も注目を集めています。誰もが使いやすいように配慮された握りやすい形の引手や、清潔さを保つ抗菌作用のある素材を用いた引手など、様々な工夫が凝らされています。
このように、引手は単に扉を開閉するための道具ではなく、住まいの雰囲気を作り上げる大切な要素です。素材、形、大きさ、機能性など、様々な視点から吟味することで、より快適で美しい住まいを実現できるでしょう。