既存不適格:安心な住まいへの道
既存不適格建物とは、建築基準法といった建物を建てるための法律や、それに関連する法律が施行された時点、あるいは施行前に工事が始まっていた建物で、今の法律に合わない部分を持っている建物のことを指します。簡単に言うと、昔は良かったけれど、今は法律が変わってしまい、一部が今の基準に合わなくなってしまった建物のことです。
具体的には、地震に耐える強さに関する基準(耐震基準)や、火事に対する安全性を定めた基準(防火基準)、敷地面積に対する建築面積の割合(建ぺい率)、敷地面積に対する延べ床面積の割合(容積率)などが該当します。これらの基準は、安全で快適な住まいを実現するために設けられています。時代と共に建物の安全基準や防災基準は厳しくなっており、昔は問題なかった建物も、今の基準で見ると適合しないケースが出てくるのです。
つまり、既存不適格建物は、現在の基準に照らし合わせると、安全面や防災面で問題を抱えている可能性があるということです。例えば、大きな地震が起きた時に倒壊の危険性が高かったり、火災が発生した場合に延焼しやすかったりする可能性も考えられます。
しかし、既存不適格建物だからといってすぐに危険というわけではありません。適切な手入れや改修工事を行うことで、安全性を確保し、快適な住まいを維持することが十分に可能です。例えば、耐震補強工事を行ったり、防火設備を新しく設置したりすることで、安全性を高めることができます。また、建物の老朽化した部分を修繕することで、住み心地を良くすることもできます。
既存不適格建物に住む場合は、専門家に見てもらい、必要な改修工事などについて相談することが大切です。そうすることで、安心して快適に暮らし続けることができるでしょう。