打設

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工法

建物の土台!コンクリート打設

コンクリート打設とは、建物を支える基礎や壁、床などのコンクリート構造物を造る際に、あらかじめ組まれた型枠の中にコンクリートを流し込む作業のことです。これは建物の土台となる重要な工程であり、建物の強さや耐える力に大きく影響する重要な要素となります。 コンクリート打設は、ただコンクリートを流し込めば良いという単純なものではありません。コンクリートの材料を適切な割合で混ぜ合わせること、温度を管理すること、流し込む方法、そして固まった後の手入れなど、様々な要素が組み合わさって初めて成功すると言えます。適切な打設が行われなければ、ひび割れが入ったり、強度が不足するなどの問題が発生し、建物の安全性を脅かす可能性があります。そのため、専門的な知識と技術を持った業者に依頼することが不可欠です。 建物の大きさや形、そして周りの環境に応じて、適切な打設方法を選ぶことが重要です。例えば、高い建物のような大きな構造物には、ポンプ車を使ってコンクリートを圧送する方法が用いられます。これは、高所までコンクリートを効率的に運ぶことができるためです。一方、比較的小さな住宅の基礎工事などでは、クレーン車や人の手でコンクリートを運び、型枠に流し込む方法が一般的です。 どのような方法であれ、コンクリートが型枠の中に均一に満たされるように、振動機を使って空気を抜き、コンクリートを締め固める作業を行います。この作業はバイブレーターと呼ばれる専用の道具を用いて行います。これにより、コンクリートの中に閉じ込められた空気を排出することで、コンクリートの密度を高め、より強固で長持ちする構造物を作ることができます。また、コンクリート打設後は、適切な養生を行うことも重要です。養生とは、コンクリートがしっかりと固まるまで、乾燥や急激な温度変化からコンクリートを守る作業のことです。適切な養生を行うことで、コンクリートのひび割れや強度不足を防ぎ、建物の耐久性を高めることができます。
構造

建物の弱点?打継ぎの重要性

打継ぎとは、鉄筋コンクリート造などの建物を建てる際に、コンクリートを複数回に分けて流し込むことで生じる、コンクリート同士のつなぎ目のことです。建物を造る際、コンクリートは一度に全てを流し込むのではなく、段階的に分けて流し込まれます。このため、どうしてもコンクリートのつなぎ目、つまり打継ぎが発生します。 なぜコンクリートを一度に流し込まず、打継ぎを作る必要があるのでしょうか?それは、コンクリートの性質にあります。コンクリートは固まる際に水和熱と呼ばれる熱を発生させます。もし大量のコンクリートを一度に流し込むと、この水和熱が内部にこもり、温度が急激に上昇します。その後、コンクリートが冷えていく過程で、内部と外部の温度差が大きくなり、ひび割れが生じるリスクが高まります。また、コンクリートは流動性のある液体状態から固体状態へと変化する際に体積が収縮します。一度に大量のコンクリートを流し込むと、この収縮も大きくなり、やはりひび割れにつながる可能性があります。さらに、高い場所から大量のコンクリートを流し込むと、コンクリート自身の重さによっても負担がかかり、ひび割れの原因となります。 これらの問題を避けるために、コンクリートは適切な量ずつ、計画的に分けて流し込まれます。そして、各回ごとに流し込まれたコンクリートの境目が打継ぎとなるのです。一般的には、建物の各階ごとにコンクリートを打ち込むため、階と階の境目が打継ぎとなります。打継ぎ部分は、建物の強度を保つために重要な箇所です。そのため、施工時には綿密な計画と適切な処理が必要となります。打継ぎ面に付着した汚れやレイタンスと呼ばれるセメントのカスを丁寧に除去し、新しいコンクリートをしっかりと接着させることで、建物の強度と耐久性を確保することができます。適切に施工された打継ぎは、建物の安全性を支える重要な役割を果たしているのです。