建築環境総合性能評価システム

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エコ

CASBEEで環境に優しい家づくり

建物を作るということは、環境に少なからず影響を与えます。使用する材料の採取から製造、輸送、建設、運用、そして解体に至るまで、様々な段階でエネルギーが消費され、二酸化炭素などの温室効果ガスが排出されます。そこで、建物の環境への優しさを客観的に評価するために作られたのが、環境評価システムです。 環境評価システムの一つにCASBEE(キャスビー)があります。これは、建築環境総合性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)の略称で、簡単に言うと、建物がどれくらい環境に配慮しているかを評価する仕組みです。評価の対象となる項目は多岐に渡ります。例えば、建物の断熱性を高めて冷暖房に必要なエネルギーを少なくする工夫や、太陽光発電システムの導入による再生可能エネルギーの活用、建材に再利用可能な材料を使う取り組みなどが挙げられます。また、雨水の利用や緑化など、周辺環境との調和も評価の対象となります。 CASBEEでは、これらの様々な要素を総合的に評価し、建物の環境性能を星の数(最大5つ星)で表します。星の数が多いほど、環境への負荷が小さく、環境に優しい建物であることを示します。新築だけでなく、既存の建物の改修工事も評価の対象となりますので、リフォームで環境性能を高めることも可能です。CASBEEは、環境に配慮した家づくりやリフォームを行う上で、設計者や施工業者、そして施主にとって重要な指標となります。環境への意識が高まる現代において、CASBEEのような環境評価システムは、より良い住まいと持続可能な社会の実現に貢献していくでしょう。