建材知識

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家を支える木材:生き節と死に節

木の家造りやリフォームを考えている皆さん、木材選びで大切な「節」について一緒に考えてみましょう。木材の表面に現れる丸い模様、それが節です。この一見小さな模様が、家の強度や美しさに大きな影響を与えることがあるのです。 節は大きく分けて二つの種類があります。「生き節」と「死に節」です。まずは生き節から見ていきましょう。生き節は、枝が生きたまま木に取り込まれた部分です。木目と一体化しており、しっかりと木に食い込んでいるため、強度への影響はそれほど大きくありません。年輪が節の周りを包み込むように成長しているため、見た目も自然で美しいのが特徴です。生き節のある木材は、家の構造材としてはもちろん、内装材としても人気があります。木の温もりや自然な風合いを存分に味わうことができ、個性的な空間を演出してくれるでしょう。 次に、死に節について説明します。死に節は、枯れた枝が木に取り込まれた部分です。木目との繋がりが弱く、まるで後から埋め込んだように見えます。強度が弱いため、大きな死に節がある木材は構造材として使用するには注意が必要です。また、時間の経過とともに死に節が抜け落ちてしまうこともあります。リフォームの際には、死に節の状態をよく確認することが大切です。死に節のある木材は、見た目の個性を楽しむという点では魅力的ですが、家の構造に関わる部分への使用は避けた方が良いでしょう。このように、生き節と死に節はそれぞれ特徴が大きく異なります。家造りやリフォームを成功させるためには、木材の特性を理解し、適切な場所に適切な木材を使うことが重要です。木の温もりや美しさを楽しみながら、安心して暮らせる家を実現するためにも、節の種類にも目を向けて、木材選びをしてみてください。
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糸の太さを表す「番手」とは?

私たちの身の回りにある洋服やカーテン、タオルなどは、すべて糸から作られています。糸には様々な種類がありますが、布の見た目や丈夫さ、使い道に大きく影響するのが糸の太さです。では、糸の太さはどのように表されているのでしょうか? 糸の太さを表す尺度として「番手」というものがあります。番手は数字で表され、数字が大きいほど糸は細く、小さいほど太くなります。少し分かりにくいかもしれませんが、この逆のような関係を理解することが、番手を理解する上で大切です。 番手には大きく分けて二つの種類があります。一つは重さで太さを表す「恒重式番手」です。これは、一定の重さの糸の長さで太さを表します。例えば、綿糸の場合、1ポンド(約454グラム)の糸の長さが840ヤード(約770メートル)であれば「840番手」と呼びます。つまり、同じ重さであれば、糸が長いほど細い糸ということになります。 もう一つは長さで太さを表す「恒長式番手」です。これは、一定の長さの糸の重さで太さを表します。例えば、絹糸の場合、1,000ヤード(約914メートル)の糸の重さが何匁(もんめ昔の重さの単位)かで太さを表します。「10匁」であれば、1,000ヤードの糸の重さが10匁ということです。つまり、同じ長さであれば、糸が重いほど太い糸ということになります。 このように、番手には恒重式と恒長式の二種類があり、素材によってどちらの番手が使われるかが異なります。糸を選ぶ際には、この番手を理解することで、用途に合った適切な太さの糸を選ぶことができるようになります。
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年輪から読み解く家の物語

木の幹を輪切りにすると、美しい模様が現れます。これが年輪です。まるで木の成長記録のような年輪は、季節の移り変わりと共に作られます。 春から夏にかけて、木は太陽の光をたくさん浴びて、ぐんぐん背を伸ばします。この時期は木にとって成長の季節です。木の細胞は活発に分かれ、大きく、薄い色の細胞がたくさん作られます。これを早材と言います。早材は木の成長を支える大切な部分です。 秋から冬になると、だんだんと気温が下がり、木の成長もゆっくりになります。太陽の光も弱まり、木は春夏のようには成長できません。この時期に作られる細胞は小さく、色が濃くなります。これを晩材と言います。晩材は木の幹をしっかり支える役割を果たします。 この薄い色の早材と濃い色の晩材が一年ごとに繰り返されることで、一つの年輪が作られます。年輪を数えることで、その木が何年生きたのかを知ることができます。 年輪の幅にも注目してみましょう。幅が広い年輪は、その年に雨が豊かで、太陽の光も十分に浴びることができた、良い年だったことを示しています。反対に、幅が狭い年輪は、日照りが続いたり、気温が低かったりと、木にとって厳しい年だったと考えられます。また、年輪の形も木の育った環境を反映しています。傾斜地に生えた木は、重力に逆らって幹を伸ばそうとするため、年輪の中心がずれていたり、楕円形になったりすることがあります。 このように、年輪は木の年齢を知るだけでなく、その木の生きた証、そしてその地域のかつての気候まで記録しているのです。木の幹に刻まれた年輪をじっくり観察することで、自然の不思議と生命の力強さを感じることができるでしょう。