建付け調整で快適な住まいを実現
「建付け」とは、扉や窓といった開け閉めするものと、それを囲んでいる枠との間の具合のことです。ちょうど、洋服を着たときに、体にぴったり合うか、少しきついか、ゆるいかといった感覚に似ています。家の場合、この具合が住み心地に大きく関わってきます。
建付けが良いと、扉は軽くスムーズに開閉し、窓も引っかかることなく滑らかに動きます。まるで、呼吸をするように自然な動きです。これは、開け閉めする部分と枠との間に適切な隙間があり、かつ、それが均等に保たれているからです。この隙間は、木が湿気を吸って膨らんだり、乾燥して縮んだりする変化に対応するための遊びでもあります。
反対に、建付けが悪いと、扉を開けるのに力が要ったり、ギーギーと音を立てたり、隙間風が入ってきたりします。窓も、開け閉めに苦労したり、隙間から雨漏りがする原因にもなります。これは、枠が歪んでいたり、扉や窓が変形していたり、あるいは、取り付け時の精度が悪かったりすることが原因です。
建付けは、家の快適さだけでなく、建物の寿命にも影響します。建付けが悪いと、開け閉めのたびに無理な力がかかり、扉や窓、そして枠を傷めることになります。また、隙間風や雨漏りは、家の構造部分に湿気を与え、腐食やシロアリの発生を招く可能性もあります。
このように、建付けは、一見すると小さな部分ですが、日々の暮らしの快適さ、そして家の寿命を守る上で、とても大切な要素なのです。新築やリフォームの際には、この建付けにも気を配ることで、より快適で長持ちする家を実現できるでしょう。