框:家の顔となる重要な建材
框とは、床の段差部分に取り付ける横木のことです。また、引き戸や障子、窓などの周囲を囲む枠も框と呼ばれます。人の目に触れやすい場所に用いられることが多く、住まいの印象を大きく左右する大切な建材です。
框は、単に仕切りとしてだけでなく、空間のアクセントとしての役割も担っています。框があることで空間にメリハリが生まれ、視覚的な美しさを演出します。また、段差部分につまずきにくくなるため、安全性も向上します。
框には様々な種類があり、設置場所によって呼び名も異なります。たとえば、床の間に取り付ける框は床框(とこがまち)と呼ばれます。格式高い和室の象徴として、床の間の雰囲気を高める役割を果たします。
玄関の上がり口に設置する框は上がり框(あがりかまち)と呼ばれ、土間と床の高さを調整する役割を担います。上がり框は、玄関の顔となる部分であり、材質やデザインによって家の印象を大きく左右します。また、玄関の土間部分と床の間に設置される玄関框(げんかんかまち)は、靴を脱ぎ履きする際の支えとなり、高齢者や子供にとって安全性を高める役割も担います。
縁側(えんがわ)に設置される框は縁框(えんがまち)と呼ばれ、屋内と屋外の境界を明確にする役割を果たします。縁框に座って庭を眺めたり、風を感じたりと、くつろぎの空間を演出する上で重要な役割を担います。
このように、框は設置場所によって役割や形状、材質が異なります。それぞれの場所に適した框を選ぶことで、より美しく、そして機能的な住まいを作ることができるのです。