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構造

屋根の要、峠について

{家の屋根の一番高いところ、棟とも呼ばれる線を、峠といいます。ちょうど山の頂上のように、屋根の最も高い部分を指す言葉です。この峠は、屋根を支える骨組みとなる様々な木材の延長線が屋根の傾斜と交わる点にあたります。例えば、家の横方向に渡した梁である桁や、屋根の傾斜に沿って斜めに架かる母屋、そして屋根の一番高いところを支える棟木といった主要な部材が関係しています。これらの部材が屋根の表面で交わり、一番高い点、つまり峠を形成するのです。しかし、峠は実際の部材そのものを指すのではありません。部材よりも上の、屋根の表面にある頂点の稜線をイメージすると分かりやすいでしょう。そのため、設計図などでは線で表現されます。ちょうど山の等高線で一番高いところを線で示すのと同じように、屋根の頂点を示す線が峠なのです。屋根の形によって、峠の様子も様々です。例えば、切妻屋根と呼ばれるシンプルな三角形の屋根では、峠はまっすぐな一本の線になります。寄棟屋根のように四方向に傾斜を持つ屋根では、それぞれの傾斜の頂点が交わり、より複雑な形の峠が生まれます。また、方形屋根のように、上から見ると正方形や長方形の屋根でも、四方向に傾斜があるため、寄棟屋根と同じく複雑な形の峠となります。このように、峠は屋根の形を特徴づける重要な要素の一つであり、家の外観に大きな影響を与えます。軒先の形や屋根の素材とともに、家のデザインを考える上で欠かせない要素と言えるでしょう。