対策

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土地

地盤沈下への備え:安心の家づくりの基礎

家屋の傾きや壁のひび割れなど、生活基盤を脅かす地盤沈下。水道管やガス管の破損といった深刻な事態に発展する可能性も秘めています。このような被害を防ぐためには、地盤沈下の起こる仕組みを理解し、事前の対策を講じることが何よりも大切です。 地盤沈下の大きな要因の一つは、地下水の減少です。地下水は地盤を支える重要な役割を担っており、過剰に汲み上げると地下水面が低下し、地盤が圧縮されて沈み込みます。特に、工場や大規模農業における大量の地下水汲み上げは、広範囲にわたる地盤沈下の原因となることがあります。また、地盤の性質も大きく影響します。粘土質のような柔らかい地盤や、埋め立て地などの人工地盤は、建物の重さに耐えきれず沈下が起こりやすい特徴があります。このような土地に家を建てる場合は、地盤改良などの対策が不可欠です。 さらに、地震や集中豪雨などの自然災害も地盤沈下の引き金となることがあります。地震の揺れによって地盤が緩んだり、液状化現象が起こったりすることで、沈下が発生します。また、長期間にわたる大雨は地下水の流れを変え、地盤のバランスを崩し、沈下を引き起こす可能性があります。 家造りを考える際には、その土地の地盤を綿密に調査することが重要です。地盤の強さや地下水位などを専門家に調べてもらい、地盤改良や基礎補強などの適切な対策を施すことで、地盤沈下のリスクを軽減し、安全で安心な住まいを築くことができます。
防災

家に潜む危険!ヤマトシロアリの生態と対策

ヤマトシロアリは、北海道と東北北部を除く日本全土に生息するシロアリの一種です。人家に甚大な被害をもたらす害虫として知られ、湿った場所を好むため、床下や浴室、台所など水回りの周辺に巣を作る習性があります。 体長は数ミリ程度と小さく、一見するとアリと似ていますが、いくつかの点で見分けることができます。まず、ヤマトシロアリは体が白っぽい色をしています。一方、アリは黒や茶色など濃い色をしています。また、ヤマトシロアリは体が寸胴型でくびれがありませんが、アリは胴体にくびれがあります。これらの特徴を覚えておくと、ヤマトシロアリとアリを区別することができます。 ヤマトシロアリは、繁殖のために羽アリとなって群飛する時期があります。この時期は、家屋内に侵入して新たな巣を作る可能性が高いため、特に注意が必要です。羽アリは4枚の羽を持ち、体長は羽を含めて1センチメートル程度です。群飛は主に4月から6月の暖かい日の午前中に行われ、光に集まる習性があります。もし家の中で羽アリを見つけたら、ヤマトシロアリの可能性が高いので、すぐに専門業者に相談することをおすすめします。 ヤマトシロアリは木材を主食としており、家の土台や柱などを食い荒らすことで建物の強度を著しく低下させ、最悪の場合、倒壊の危険性も出てきます。目に見える場所に被害が現れる頃には、既に建物内部に大きな被害が広がっている可能性があります。そのため、早期発見と適切な対策が重要です。定期的な点検を行い、少しでも怪しい signs に気づいたら、専門業者に相談しましょう。床下の湿気を防ぐ、木材を乾燥させるなど、日頃からシロアリ対策を意識することも大切です。
建材

アスベスト問題と住宅リフォーム

石綿(いしわた)、とも呼ばれるアスベストは、自然界で産出される繊維状の鉱物です。極めて細い繊維が集まって束のようになっているため、見た目ではなかなかそれと分かりません。この石綿は、かつては建材として様々な場所で広く使われていました。火に強く、熱を伝えにくく、音を遮る性質にも優れていたためです。また、価格が安く、加工もしやすいため、家をはじめ、学校、工場、病院など、実に様々な建物で利用されていました。具体的には、屋根の材料、壁の材料、床の材料、熱を逃がさないための材料、配管の保温材などに含まれていました。 しかし、後に石綿が人の体に深刻な健康被害をもたらすことが明らかになりました。石綿の繊維を呼吸によって吸い込むと、肺がん、中皮腫、じん肺といった深刻な病気を引き起こす危険性があります。これらの病気は、発症するまでに数十年もの長い年月がかかることもあり、発症が遅れることも問題の一つです。初期症状が現れにくいため、気づかないうちに病気が進行してしまう場合もあります。石綿が原因で発症する病気は、現在の医療技術をもってしても完治が難しいケースが多く、予防が何よりも重要です。 このような健康への影響から、現在では石綿の使用は法律によって厳しく規制され、石綿を含まない製品が主流となっています。古い建物を取り壊す際や、改修工事を行う際にも、石綿が飛散しないように、細心の注意を払う必要があります。もし、自宅や職場などに石綿が使われている可能性がある場合は、専門の業者に相談し、適切な対策を講じることが大切です。