寸法安定性

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建材

乾燥材で実現する理想の家

木材は、切り倒されたばかりの状態では多くの水分を含んでいます。この水分を含んだ木材をそのまま使うと、乾燥していく過程で縮んだり、ひび割れたり、曲がったりするため、家造りには適していません。そこで、人工的に木材の水分量を減らしたものが、乾燥材です。 乾燥材を作るには、大きく分けて二つの方法があります。一つは、自然乾燥と呼ばれる方法です。これは、太陽の光と風を利用して、じっくりと時間をかけて木材を乾燥させる昔ながらのやり方です。自然乾燥は環境に優しい方法ですが、乾燥に時間がかかり、天候にも左右されます。もう一つは、機械乾燥という方法です。これは、乾燥室の中で、コンピュータ制御によって温度や湿度を管理しながら木材を乾燥させる方法です。機械乾燥は、短時間で均一に木材を乾燥させることができるため、近年では主流となっています。 乾燥材を使う一番の利点は、木材の寸法変化を少なくできることです。木材は水分量の変化によって伸縮するため、湿気を含んだ木材を使うと、家が完成した後に乾燥が進むにつれて木材が縮み、歪みや床鳴りが発生する原因となります。一方、乾燥材はあらかじめ水分量が調整されているため、このような問題が起こりにくく、家の耐久性を高めることに繋がります。また、乾燥材は腐朽菌や害虫が発生しにくいという利点もあります。木材に含まれる水分は、腐朽菌や害虫の繁殖を促すため、水分量を減らすことで、木材を長持ちさせることができます。 このように、乾燥材は家造りにとって欠かせない材料であり、家の寿命を延ばし、快適な住まいを実現する上で重要な役割を担っています。