家の長持ちの秘訣:通気層
家は人間と同じように呼吸をしていると考えてみてください。呼吸がスムーズにいかないと体に異変が起きるように、家も不調になります。その分かりやすい例が結露です。冬の寒い時期に窓ガラスに水滴が付くのを思い浮かべてみましょう。暖かい室内の空気が冷たい窓ガラスに触れると、空気中の水分が冷やされて水滴に変わるのです。実はこれと同じことが壁の中でも起こっているかもしれません。壁の中に湿気がたまると、カビや木材を腐らせる菌が繁殖しやすくなり、家の骨組みを弱くしてしまうのです。
そこで、家の健康を守るために重要なのが「通気層」です。通気層とは、壁の中に作られた空気の通り道のこと。壁の中で生まれた湿気を外に出す役割を果たしています。壁の中の湿度を適切に保つことで、結露を防ぐことができるのです。家の寿命を長く保つためには、目に見えない部分にも気を配ることが大切です。通気層は、まさに家の健康を支える縁の下の力持ちと言えるでしょう。
例えば、外壁材の裏側に設けられた通気層は、外部からの雨水の侵入を防ぎつつ、壁内部の湿気を排出する機能を持っています。この通気層があることで、壁内部の乾燥状態を保ち、構造材の腐朽を防ぎ、建物の寿命を延ばすことに繋がります。また、屋根裏の通気も重要です。屋根裏に湿気がこもると、屋根材の劣化を早めるだけでなく、断熱材の性能も低下させてしまいます。屋根の構造に合わせて適切な通気口を設けることで、屋根裏の換気を促し、家の耐久性を高めることができます。このように、通気層は家の寿命を左右する重要な要素であり、家づくりやリフォームの際にはしっかりと考慮すべき点です。