転ばし床:リフォームと家造りの基礎知識
転ばし床とは、コンクリートの土間や床の上に、直接木材で骨組みを作り、その上に床板を張る工法のことです。床下を高くする必要がない場合や、床下に空間を作るのが難しい場合に多く用いられます。
たとえば、コンクリートの土間の上に、根太と呼ばれる木材を並べて、その上に床板を張るという簡単な構造です。この工法は、昔から日本の木造建築で使われてきました。床下の高さを確保できない場合でも、比較的簡単に床を仕上げることができるため、家の改修や増築などにも向いています。また、工期が短く、費用を抑えられることも利点です。
この工法では、まず土間の上に防湿シートを敷きます。これは、土間からの湿気を防ぐための重要な役割を果たします。次に、根太と呼ばれる木材を等間隔に並べます。根太は、床板を支える土台となる部分です。根太と根太の間には断熱材を入れることもあります。断熱材を入れることで、床からの冷気を防ぎ、快適な居住空間を作ることができます。根太の上に床板を張れば、転ばし床の完成です。床板には、無垢材や合板など、様々な種類があります。
しかし、転ばし床は床下の空気が流れにくいため、湿気が溜まりやすく、木材が腐りやすいという欠点があります。防湿対策として、土間に防湿コンクリートを使用したり、防湿シートを敷いたりすることが重要です。また、床下に換気口を設けることで、床下の湿度を下げ、木材の腐敗を防ぐことができます。さらに、定期的に床下の点検を行い、湿気が溜まっていないか、木材が腐食していないかを確認することも大切です。
このように、転ばし床は、工期が短く、費用を抑えられるといったメリットがある一方で、湿気対策が重要となる工法です。施工前にしっかりと湿気対策を検討し、適切な対策を行うことで、快適で長持ちする床を実現することができます。