総掘り基礎:徹底解説!
総掘り基礎とは、建物を支えるための基礎を築く際に用いられる工法の一つです。この工法の特徴は、建物の形に合わせて地面全体を掘り下げる点にあります。建物の荷重を地盤全体に均等に分散させることで、建物の安定性を高めることを目的としています。
具体的な手順としては、まず建物の配置に合わせて地面を掘削します。掘削の深さは、地盤の強さや建物の大きさ、建物の形などによって異なります。建物の重さをしっかりと支えられるだけの強さを確保するために、地盤調査に基づいて適切な深さを決定することが重要です。地面を掘り下げた後は、底面に鉄筋を配置し、コンクリートを流し込んで底盤を築きます。この底盤が建物の土台となり、上部の構造物を支える役割を果たします。
総掘り基礎は、比較的簡素な構造であるため、施工が容易で工期も短縮できるという利点があります。また、様々な地盤条件に対応できるため、住宅から比較的小規模な建物まで幅広く採用されています。特に、不同沈下(建物の基礎の一部だけが沈下する現象)のリスクを低減できるという点は大きなメリットです。不同沈下は、建物の傾斜やひび割れの原因となるため、それを防ぐことは建物の安全性を確保する上で非常に重要です。
ただし、総掘り基礎を採用する際には、地盤の性質や建物の規模、形状などを綿密に調査し、適切な設計と施工を行う必要があります。掘削の深さや底盤の厚さ、鉄筋の配置などを誤ると、建物の安定性が損なわれる可能性があります。そのため、専門の業者に依頼し、地盤調査に基づいた綿密な設計と施工を行うことが不可欠です。