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工法

総掘り基礎:徹底解説!

総掘り基礎とは、建物を支えるための基礎を築く際に用いられる工法の一つです。この工法の特徴は、建物の形に合わせて地面全体を掘り下げる点にあります。建物の荷重を地盤全体に均等に分散させることで、建物の安定性を高めることを目的としています。 具体的な手順としては、まず建物の配置に合わせて地面を掘削します。掘削の深さは、地盤の強さや建物の大きさ、建物の形などによって異なります。建物の重さをしっかりと支えられるだけの強さを確保するために、地盤調査に基づいて適切な深さを決定することが重要です。地面を掘り下げた後は、底面に鉄筋を配置し、コンクリートを流し込んで底盤を築きます。この底盤が建物の土台となり、上部の構造物を支える役割を果たします。 総掘り基礎は、比較的簡素な構造であるため、施工が容易で工期も短縮できるという利点があります。また、様々な地盤条件に対応できるため、住宅から比較的小規模な建物まで幅広く採用されています。特に、不同沈下(建物の基礎の一部だけが沈下する現象)のリスクを低減できるという点は大きなメリットです。不同沈下は、建物の傾斜やひび割れの原因となるため、それを防ぐことは建物の安全性を確保する上で非常に重要です。 ただし、総掘り基礎を採用する際には、地盤の性質や建物の規模、形状などを綿密に調査し、適切な設計と施工を行う必要があります。掘削の深さや底盤の厚さ、鉄筋の配置などを誤ると、建物の安定性が損なわれる可能性があります。そのため、専門の業者に依頼し、地盤調査に基づいた綿密な設計と施工を行うことが不可欠です。
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盛土:土地の可能性を広げる技術

盛土とは、土地の形を変える工事の一つで、土や砂利などを積み重ねて地面を高くすることを指します。平らな土地が少ない日本では、土地を有効に使うために古くから行われてきた方法です。家や道路、車を停める場所など、様々な場所で利用されています。 盛土を行う主な目的は、土地の高さを調整することです。傾斜している土地を平らにしたり、低い土地を高くすることで、土地の使い勝手が良くなります。例えば、山の斜面を削って平らな土地を作り、そこに家を建てる場合、削った土を使って周りの低い部分を埋め立て、平らな土地を広げることがあります。これが盛土です。また、水はけの悪い土地に土を盛ることで、水はけを良くすることもできます。 盛土は、地盤を強くする効果もあります。柔らかい地盤の上に建物を建てる場合、そのままでは建物が傾いたり、沈んだりする危険があります。そこで、土を盛って地盤を固めることで、建物の安定性を高めることができます。 しかし、盛土は正しく行わないと、地盤沈下や土砂崩れなどの災害につながる可能性があります。例えば、土を十分に締め固めなかったり、水はけを考慮せずに盛土を行ったりすると、雨が降った際に土が崩れやすくなります。また、地震の際には、盛土部分が大きく揺れて、建物に被害を与えることもあります。そのため、盛土を行う際には、土の種類や量、締め固める方法などをしっかりと検討し、専門家の指示に従って工事を行うことが大切です。適切な方法で盛土を行うことで、安全で快適な土地を作り出すことができます。