化学物質管理

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法律・規制

PRTR法と家づくり:環境に優しい住まい

PRTR法は、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」を短くした呼び方です。人々の健康や自然界への影響が心配される化学物質について、どれだけ環境中に排出されているのか、また、どのように移動しているのかを把握し、管理の向上を図ることを目的として、2001年に施行されました。 この法律の対象となるのは、有害のおそれのある特定化学物質で、その数は現在435種類にもなります。事業者は、これらの物質をどれだけ大気や水、土壌に排出したのか、あるいは廃棄物に混ぜて移動させたのかなどを、毎年国に報告する義務があります。そして、集められた報告データはインターネットなどで公開されます。 PRTR制度によって、事業者は自らの環境負荷を認識し、削減に向けた取り組みを積極的に行うようになります。また、集められたデータは、国や地方自治体による環境政策の立案や、環境汚染の状況把握にも役立てられます。 PRTR法は、事業者だけでなく、私たち消費者にも環境問題を考える良い機会を与えてくれます。公開されたデータを見ることで、どの製品が環境に負荷を与えているのかを知ることができ、環境に優しい製品を選ぶ基準になります。また、私たちの日常生活が環境にどのような影響を与えているのかを考え、環境に配慮した暮らし方へと変わるきっかけにもなります。このように、PRTR法は、より安全で安心な社会を作るために、私たち皆で環境問題に取り組むための重要な役割を担っているのです。