使いやすさ

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キッチン

暮らしやすさのカギ!アイレベル収納

家の中にある物を出し入れする時、どこに仕舞ってあるか、また、どこに仕舞えば良いのか、すぐに分かりますか?毎日使う物ほど、使う場所に合わせた収納場所を決めておくと、家事の効率が上がります。物の出し入れしやすさを考える上で重要なのが、目の高さです。人は立った時、目の高さの範囲にある物が最も見えやすく、自然と手が届きます。この範囲は一般的に床から145~160センチメートルほどで、アイレベルと呼ばれます。 このアイレベルは、頻繁に使う物を収納するのに最適な場所です。例えば、毎日立つキッチンを考えてみましょう。システムキッチンでは、コンロやシンク周りの壁面に、調味料や調理器具などを収納する棚を設置することが一般的です。この部分をアイレベルゾーンと呼び、効率的な作業動線を確保する上で重要な役割を果たします。よく使う調味料や調理器具をこの高さに収納しておけば、調理中に屈んだり、背伸びしたりする必要がなく、スムーズに作業を進めることができます。 また、洗面所でもアイレベル収納は有効です。毎日使う洗顔料や化粧水、歯ブラシなどを鏡の近くのアイレベルに収納することで、朝の支度がスムーズになります。収納棚の位置だけでなく、棚の奥行きも重要です。奥行きがありすぎると、奥にある物が取り出しにくくなってしまいます。アイレベル収納では、奥行きを浅くし、一目で中身が分かるように工夫することで、さらに使い勝手が良くなります。 さらに、クローゼットや押し入れでもアイレベル収納を意識することで、衣類の整理整頓がしやすくなります。普段よく着る服をアイレベルのハンガーパイプに掛けたり、棚に収納したりすることで、毎日の服選びが楽になります。このように、家の中の様々な場所でアイレベル収納を取り入れることで、暮らしの快適さを向上させることができます。物の位置を把握しやすく、出し入れしやすい収納は、日々の生活をより豊かにしてくれるでしょう。
設計

快適な住まいを実現する人間工学

住まいは、ただ寝るだけの場所ではなく、家族が暮らしを営む大切な空間です。だからこそ、住む人の心身に寄り添った、快適な住まいづくりが重要になります。その快適さを実現する上で欠かせないのが、人間工学という考え方です。人間工学とは、人の体の特徴や心の働きを深く理解し、より暮らしやすい環境をデザインするための学問です。椅子や机といった家具だけでなく、住まい全体にもこの考え方は役立ちます。 家を建てたり、リフォームしたりする際に、設計段階から人間工学を取り入れることで、暮らしやすさは大きく変わります。例えば、キッチンを考えてみましょう。調理をする人の身長に合わせてシンクや調理台のの高さを調整することで、腰への負担を軽減できます。また、使う頻度が高い調理器具を手の届きやすい場所に収納することで、スムーズな作業を可能にします。さらに、浴室も重要なポイントです。高齢者やお子様にとって、浴室での転倒は大きな危険を伴います。手すりの設置や、滑りにくい床材の採用によって、安全性を高めることができます。 照明計画も人間工学に基づいて考えるべき要素です。明るすぎる照明は目に負担をかけ、落ち着かない気分を引き起こす可能性があります。逆に、暗すぎる照明は作業効率を低下させ、転倒の危険も高まります。それぞれの部屋の用途に合わせて、適切な明るさと色温度の照明を選ぶことが大切です。リビングには暖かみのある色の照明を選び、リラックスできる空間にする一方、書斎や作業スペースには集中力を高める昼白色の照明を取り入れるなど、場所に合わせた照明計画が快適な生活につながります。このように、人間工学の考え方を住まいに取り入れることで、家族みんなが安心して快適に過ごせる住まいを実現できるのです。
バリアフリー

快適なニースペースで暮らしを豊かに

「ニースペース」とは、椅子に座ったり、車いすを使ったりする時に、足元の空間を広く確保するための設計のことです。足元にある家具や設備の下部をひざが楽に入るよう、開放的な形にすることで、作業がしやすくなり、楽な姿勢を保てます。 例えば、台所で料理をする場面を考えてみましょう。ニースペースが設けられたシステムキッチンでは、作業台に体を近づけやすくなります。長時間立っていても疲れにくく、快適に調理ができます。また、洗面台で身支度をする際にも、ニースペースがあると椅子に座って落ち着いて作業ができます。かがんだり、無理な姿勢をとる必要がなく、体に負担がかかりません。 車いすを使う人にとって、ニースペースは生活の質を高める上で特に重要です。洗面所や台所で車いすのまま作業ができるようになれば、介助を必要とする場面が減り、より自立した生活を送ることができます。日常生活の動作をスムーズに行えるようになり、精神的なゆとりにもつながります。 ニースペースのメリットは、快適さだけでなく、安全性も向上させる点にあります。足元が広く確保されていることで、つまづいたり、物を落としたりする危険性が減ります。特に、高齢者や体の不自由な人にとっては、安全な住環境を作る上で重要な要素となります。 このように、ニースペースは様々な場面で快適さや利便性を高め、安全な暮らしを支える工夫と言えるでしょう。家造りや模様替えの際には、ニースペースを意識することで、より暮らしやすい空間を実現できるはずです。