用途地域:理想の住まい選び
用途地域とは、都市計画法に基づいて、都市をさまざまな地域に区分けしたものです。街の機能をうまく配置し、住みよい環境をつくることを目的としています。具体的には、住宅地、商業地、工業地など、街の役割ごとに区域を分けて、それぞれの場所で建てられる建物の種類や大きさなどを決めています。
それぞれの地域には、建物の使い方、高さ、容積率(敷地面積に対する延べ床面積の割合)、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)といった制限が設けられています。これらの制限は、そこに住む人たちの生活環境を守り、災害から街を守るために重要な役割を果たしています。例えば、静かな住宅街では、騒音や公害を出す工場を建てることは制限されます。逆に、商業地では、たくさんの人が集まるお店やオフィスが入る高い建物を建てることができます。このように、それぞれの地域の特徴に合わせたルールが定められています。
用途地域は全部で12種類あります。第一種低層住居専用地域は、静かで落ち着いた環境を守るための地域で、主に低層住宅の建設が可能です。そこから、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域と、住宅地から商業地、工業地へと段階的に建物の用途や規模の制限が緩和されていきます。自分が住みたいと考えている場所が、どの用途地域に指定されているかを確認することで、将来その街がどのように変化していくのか、どんな環境なのかを予測することができます。快適な住まい選びのためにも、用途地域についてよく理解しておくことは大切です。