仮設

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工法

工事の縁の下の力持ち:仮設とは?

家を新しく建てたり、古くなった家を改修したりする際に、普段はあまり意識されることはありませんが、工事には欠かせないものがあります。それが「仮設」です。仮設とは、工事を行うために一時的に設置される様々な施設や設備のことを指します。 工事現場でよく見かける、建物を覆うように組まれた足場も仮設の一つです。足場は、作業員が高所でも安全に作業できるようにするためのものです。また、工事現場の外周に設置される仮囲いも仮設です。仮囲いは、工事現場を外部から隔離することで、通行人や近隣住民の安全を守り、騒音や粉塵の飛散を防ぐ役割も担っています。 さらに、工事現場で働く作業員のために、仮設トイレや仮設の電気・水道なども設置されます。これらは、工事期間中の作業員の生活環境を維持するために必要不可欠です。電気は、電動工具の使用や照明に必要ですし、水道は、清掃や飲料水として使われます。これらの仮設設備がなければ、快適な作業環境を維持することは難しく、工事の進捗にも影響が出てしまうでしょう。 その他にも、工事の内容によっては、仮設事務所や資材置き場なども仮設として設置されます。仮設事務所は、現場監督や作業員の打ち合わせ場所や休憩場所として利用されます。資材置き場は、工事資材を保管しておく場所で、必要な時にすぐに資材を使えるように整理整頓しておくことが大切です。 このように、仮設は工事の規模や内容に応じて様々な種類があり、安全な作業環境の確保や工事の円滑な進行に大きな役割を果たしています。家造りやリフォームを行う際には、完成後の家の姿だけでなく、このような仮設の役割についても理解しておくことが大切です。
構造

仮筋交:家造りの一時的な支え

家造りにおいて、仮筋交いは建物の骨組みを組み立てる際に一時的に用いられる斜めの部材です。家を建てる過程では、まず柱や梁といった主要な構造材を組み立てて家の骨格を作ります。しかし、この段階では、これらの構造材はまだ十分に固定されておらず、風やちょっとした揺れで倒れてしまう危険性があります。そこで、建物の骨組みが完成するまでの間、一時的な支えとして仮筋交いを設置するのです。 仮筋交いは、柱と梁の接合部に斜めに取り付けられます。この斜めの部材が、建物の水平方向への動きを制限し、構造を安定させる役割を果たします。仮筋交いがあることで、工事中に予期せぬ力が加わったとしても、建物が傾いたり倒壊したりするのを防ぐことができます。いわば、骨組みを支える仮の添え木のようなものです。 仮筋交いはあくまで一時的なものです。建物の骨組みが完成し、壁や屋根などの構造がしっかりと組み上がると、仮筋交いは取り外されます。そして、その代わりに本筋交いと呼ばれる正式な筋交いが設置されます。本筋交いは、より強度が高く、地震や台風などの外力から建物を守る重要な役割を担います。仮筋交いは、本筋交いが設置されるまでの間、建物の安全を守り、工事をスムーズに進めるために必要不可欠な存在と言えるでしょう。